第二十三話 入学テストその九
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「食べ物の話していたら余計にお腹空かない?」
「確かに」
「我慢できなくなってきたわよ」
皆育ち盛りですから。何か奈良県の他の高校の子からは天理高校の生徒っていうと太ってるっていうイメージがあるそうです。あと背が小さいっていうのは否定できないです。
「やっぱりがっつりでしょ」
「あそこよね」
「じゃあがっつりね」
話が決まりました。
「そこね」
「そうね。お腹一杯食べられるし」
「そうそう」
これでやっと決まったって感じでした。
「ちょっと男の子みたいだけれど」
「もうそれは別にいいじゃない」
かなり強引にそういうことになっちゃいました。
「向こうだってドーナツとかクレープ食べるし」
「それって普通じゃないの?」
「甘いものは女の子のものよ」
随分と勝手な理屈です。けれどその理屈が通るっていうのも凄いです。というか私達が勝手にそういうことにしているだけですけれど。
「だからお互い様よ」
「お互い様なのね」
「そういうことにしておきましょう」
「しておくの」
「そう、そういうこと」
本当に強引にそういうことにしてしまいました。
「さてと。それじゃあ」
「ええ。がっつりね」
結局それで正式に決まった感じです。
「そういうことでね」
「後はテストが終わるだけ」
それがとても待ち遠しくなりました。やっぱり私もお腹が空きますから。
「それまでは気合入れてね」
「試験官頑張りましょう」
何はともあれまずは試験官でした。それにしてもその今頃近鉄の歌を歌うっていう背の高い男の子は何者なんでしょうか。凄く気になったことでした。
第二十三話 完
2008・8・26
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