第二百四十六話 妖術破りその六
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「それまでの辛抱」
「今のうちに精々暴れておれ」
「妖術が出た時にじゃ」
「御主達は終わりじゃ」
「まさにな」
こう言ってだ、その時を待っていた。そして実際にだ。
老人達は本陣において気を練っていた、それは既に終わり空には暗雲が立ち込めていた。やけに不気味な暗雲が。
その暗雲を見上げつつだ、老人は言った。
「これでじゃ」
「はい、何時でもですな」
「術が使えます」
「では然るべき時が来れば」
「その時に」
「まだ敵を引きつけよ」
老人は自信に満ちた声で告げた。
「敵が全てじゃ」
「術が効く範囲に入る」
「その時にですな」
「術を使う」
「それも一斉に」
「そうするぞ」
これが老人の考えだった。
「よいな」
「はい、さすれば」
「今はまだ待ち」
「敵が全て間合いに入る」
「その時にですな」
「その時はすぐじゃ」
間も無く、というのだ。
「それまで待て」
「畏まりました」
棟達、妖術を使える面々も落ち着いたいた。彼等は自分達が勝つと疑っていなかった。そのうえで時を待っていた。
だがそれは信長も同じでだ、彼は落ち着いて言っていた。
「ではな」
「はい、我等もですな」
「前に出ますな」
「そうするとしよう」
池田と森への言葉だった。
「本陣もですな」
「そして、ですな」
「いつも通り」
「うむ、前の陣が疲れたらな」
その時はというのだ。
「その陣を下がらせてじゃ」
「新手を出す」
「それを繰り返してですな」
「敵を攻めまするな」
「そうすr、だからじゃ」
それでというのだ。
「我等本陣もじゃ」
「わかり申した」
「ではこれよりです」
「我等も前に出て」
「そうして」
「わしも行く」
信長自らというのだ。
「そうせよ、軍の間合いもな」
「詰めますな」
「全体に」
「そうするのじゃ」
こう言うのだった。
「そうすればじゃ」
「はい、その時は」
「魔界衆もですな」
「攻めてくる」
「そうしますな」
「だからじゃ」
この狙いもあってというのだ。
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