4部分:第四章
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第四章
「わかったな。それじゃあな」
「わかりました。では」
「今から」
こうしてだった。彼等は焼き終わり後始末もした。それが終わってからだ。
高草も田所も隊舎に帰る。赤ら顔で悠々と帰りながらだ。
彼等はだ。満足している顔でこんなことを話した。
「いやあ、役得だったな」
「そうだよな。美味いものたらふくだったな」
「肉にビールにな」
「いや、美味かったよ」
「全くだよ」
そんなことを話してだ。田所がだ。
高草にだ。こう言うのだった。
「いつもこんな御馳走だったらいいのにな」
「全くだぜ。肉にビールに」
高草も笑顔で応える。
「それをただでってのがいいよな」
「そうだよ。いつもの飯はビールなんてないからな」
「肉はまだあるけれどな」
「本当にな。まあ今日はよかったよ」
満足していることには変わらない。二人にとっては最高の作業だった。
しかしだ。客人達はだ。宴が終わってから少し苦笑いになって基地を後にしつつだ。こんなことを言うのだった。
「まあ味は大雑把でしたが」
「それでもですね」
「それはよしとしましょう」
それはそれでいいというのだった。
「陸自さんだからですね」
「こうしてもてなしてくれるだけでも」
「いいとしますか」
何処か優しく言う彼等だった。そこはあえてだというのだ。
そしてだ。基地の中にある隊舎を見る。夕暮れの中に消えようとしている。
その隊舎を見てだ。彼等はこんなことも話した。
「こうしたパーティーも開いてくれて」
「国防も担ってくれますから」
「自衛隊にはこれからも頑張って欲しいですね」
「そうですね」
心からの言葉だった。細かいところは色々と思うがそれでもだ。自衛隊への感謝の念はあるのだった。それはしっかりとしていた。
接客騒動 完
2011・11・29
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