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接客騒動
3部分:第三章
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第三章

 その焼き肉を食べながらだ。客達の間でこっそりと話すのだった。
「陸自さんの味ですね」
「はい、量が多くて」
「味はかなり大雑把で」
「このソーセージ生焼けですよ」
「人参なんか」
 スライスした人参が見られる。それはどうなっているかというと。
 殆ど焼けていない。生だった。その生の人参を見てだ。彼等は苦笑いで話すのだった。
「何で陸自さんはこう味付けが大雑把なんでしょうね」
「兵隊さんが当番で作ってるからじゃないですか?」
「給養の人がいませんし」
 給養、即ち部隊で料理を作る人間がだ。陸上自衛隊はいないのだ。かつてはいたが一説によると給養員が自分達が料理を作る為に威張りだすのでその弊害を考慮してその職種、自衛隊で言うマークを廃止したのだという。
 それでだ。料理を作っているのは。
「素人の人たちが作ってますからね」
「結果として味がばらばらなのも仕方ないですね」
「ううん、生焼けの肉もあれば」 
 生焼けのマトンにはこれでもかと胡椒がかけられている。かなり辛い。
「この牛肉は炭みたいになってますね」
「何かかなりいい加減ですね」
 こう話す彼等だった。しかしだ。
 食べはする。そのうえで言うことは。
「しかし。心はまあ感じますね」
「ちゃんと焼いてくれてますからね」
「そこは真面目に」
 確かに彼等が食べることを第一にしているが焼くことは焼いてくれていた。
「焼いてもらって食べさせてもらってるし」
「文句は言ってはいけませんね」
「それはそうですね」
 仮にももてなされている。それも量はふんだんにだ。だから彼等もそれはよしとしていた。
 実際にだ。作業員達もだ。肉をせっせと焼き続けていた。
 曹長もだ。何と自ら箸を出して肉を焼きつつだ。こう言うのである。
「食って焼けよ」
「お客さん用の肉も」
「野菜もですね」
「ああ、まずは焼くんだ」
 第一にだというのだ。
「どんどん食ってもらわないとな」
「俺達も食ってですね」
「そうして」
「食え、そして焼け」
 何につけてもだ。そうしろという曹長だった。
 彼は左手に持っている缶のビールを一口飲む。そして銀の大皿に肉を置いていきだ。
 高草にだ。こう言うのだった。
「おい、それ持って行け」
「お客さん用ですね」
「ああ、今度はそれだ」
 まさにそれだというのだ。
「持って行けよ」
「それでワックに渡すんですね」
 陸上自衛隊の女性隊員である。数はかなり少ない。
「そうしてですね」
「ああ、落とすなよ」
「わかりました。それじゃあ」
 こうしてだ。高草は傍の石のところに置いていた自分のビールを一口飲んでから皿を両手に取って建物の中に入りだ。そこに待っているワックに渡したのである。
 それから
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