前編
11.祭だ祭だっ!!(後)
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もよくなってきた。だって今、楽しいから。盆踊りなんてやったことなかったけど、めちゃくちゃ楽しいから。そして……
「クマクマ〜」
まぁそれは今はいいや。気付かなかったことにしておこう。この妖怪アホ毛女を調子づかせないためにも。
そうして曲が終わった。盆踊りを終えた俺達は自然と拍手し合い、互いの奇妙な踊りを讃え合った。……イヤ別にそんな大層なもんじゃないけど、妙に盛り上がったあとって自然と拍手が出るよね。
「ぁあ〜楽しかったクマ!!」
意見が一致するのはシャクだが、それには同意せざるをえん。
「だな。ありがとう。お前が強引にさそってくれたおかげだ」
「クマに感謝するクマ!!」
だな。今日ばかりはお前に感謝だ妖怪アホ毛女。
「みんなうまいじゃないか! 見てて楽しかったぞー!」
提督さんと隼鷹さんもやってきた。提督さんは暁ちゃんが持っていた大きなうちわをかついでおり、祭印のハッピと相まって、日本の祭男の様相を呈していた。
「あ、司令官! 暁のうちわ持っててくれてありがとう!!」
「おう! 一人前のレディーから預かった大事なうちわだからな!!」
それに、今日はビス子に盆踊りを教えるという大役を自ら買って出て、見事それをやり通したもんね。暁ちゃんはもはや、自他ともに認める一人前のれでぃーと言っても過言ではないだろう。
提督さんは笑顔で暁ちゃんにうちわを返し、暁ちゃんもそれを100万ドルの笑顔で受け取っていた。球磨の笑顔には負けるが、それでも暁ちゃんの笑顔もまた、お日様のように暖かい笑顔だった。その笑顔のまま、暁ちゃんはこちらにてくてく歩いてくると、笑顔で俺に話しかけてきた。
「ハル! 暁は一人前のれでぃー?」
「だね。暁ちゃんがいなかったらビス子は今日、盆踊れなかったもんね」
チラッとビス子の方を見ると、エキサイティングなボン・フェスティバル・ダンスをエンジョイした後だからだろうか。肩で息をしながら、ほっぺたを赤くしてそれでも清々しい笑顔をしていた。
「でもハルは、そんな一人前のレディーでも膝枕してくれないのよね」
う……それは妖怪アホ毛女が悪いのです……と言い訳しようとしたときだった。暁ちゃんの身体がひょいと宙に浮いた。いつの間にか暁ちゃんの背後に来ていた提督さんが、暁ちゃんを抱え上げたからだった。
「きゃッ?!」
「じゃあその一人前のれでぃーの暁は、司令官であるこの俺が直々に肩車をしてやろう!」
「こ、こら司令官! 暁は一人前のれでぃーなんだから、子供扱いしないでよ!!」
提督さんは暁ちゃんをそのまま肩車し、その暁ちゃんはぽかぽかと提督さんの頭を叩いていた。でもほっぺたが赤くてどこかニヤニヤしているから、きっと口では嫌がっていても
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