前編
11.祭だ祭だっ!!(後)
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にも見えた。
「加古! そろそろはじめるクマッ!!」
「おー……これやったら私は……ねる……ぞ……」
『あーあー……まいくてす。まいくてす』
なんだか突然北上のアナウンスが始まった。さっきから姿が見えないと思ったら……どこにいやがるんだ北上は。
「北上?! どこにいるんだ北上?!」
『まぁどこだっていいじゃん。球磨姉のコールも入ったし、ボン・フェスティバル・ダンスはじめるよー』
どこにいるかもしれない北上がこう告げると同時に、会場内に盆踊りの音楽が鳴り響いた。なんだか聞いたことない感じの演歌調の曲だったが、中々にノリがよくていい曲だ。『百万石の〜……』とか言ってるから、加賀金沢に関係してる曲なのかな?
「ハルも一緒にぼんおどるクマ!!」
そう言って妖怪盆踊り女に手を引っ張られ、抵抗むなしくやぐらの下まで強引に連れて来られてしまった俺に盆踊りなんか出来るはずもない……おいどうするんだよおれ盆踊れないぞ?
「いいからテキトーにボンっとけばいいクマ!!」
そういって妖怪盆踊り女は、どう見ても盆踊りとは思えない不可解な動きでこちらのマジックポイントを吸収しはじめた。ちくしょう負けてられん。こちらも奇妙な踊りで対抗するしかない。
「こ、こうか?」
「そうそう! その調子クマ!!」
見様見真似で球磨の動きを真似してみる。傍から見てると妙な動きにしか見えなかったが、自分がいざやってると、これが妙にハードで踊りがいのあるダンスだ。そうか……これが……
「これがボン・フェスティバル・ダンス……!!」
「いや、よくわかんないクマ。多分違う気がするクマ」
「せっかく俺がノッてきたところで急に冷めるなよ……妙に気恥ずかしくなるだろう」
「クマクマッ!」
といいながらも、俺と球磨は並んで一緒にボン・フェスティバル・ダンスでひたすら盆踊る。小さい頃に見た盆踊りとは根本的に違う踊りなような気もするが、これはこれで踊っていると段々楽しくなってきた。
「夜の盆踊り……夜戦だ!! 私も夜戦を盆踊る!」
「私も踊るわ! だって一人前のれでぃーなんだから!!」
「よーし。やきそばも出来たし、ちょいと一休みするかー」
「あたしも一休みするよ。疲れたろ? ほら飲んで」
「さんきゅー隼鷹」
提督さんが焼きそばを焼く手を止め、汗を拭きながらベンチに腰掛けた。その横に隼鷹が寄り添うように座り、二人はビールを煽り合っていた。川内と暁ちゃんも奇妙な踊りの戦列に加わり、俺達鎮守府に巣食うあやしい者共が、その奇妙な踊りで精神力を吸い取る相手を探してやぐらの周囲をぐるぐると踊りながら回り始めた。
フと、一人足りないことに気がついた。
「あり?」
「ビス子が盆踊ってないクマ!」
ビ
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