前編
11.祭だ祭だっ!!(後)
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にな」
隼鷹の『ものどもかかれぇえ〜!』という声と、提督の苦悶とも歓喜ともいえる叫び声が聞こえた。提督さん、あなたまだ懲りないんですか……
「なぜだ隼鷹ッ?!! 俺は……ゲフッ……お前の……グハッ?!」
「きゃー! 司令官がぁぁあああ」
同時に、提督さんに肩車されていたはずの暁ちゃんの声も聞こえた……なにやってるんだ……隼鷹に何をされてるんだ提督さんは……
「ハル? 楽しかったクマ?」
「ああ……かひゅー……ラストはひどかったけど……今日は楽しかったな……かひゅー……」
「よかったクマ!」
こういうこと言うのもシャクだしめちゃくちゃ悔しいが……いつかの核ミサイル級のはにかんだ笑顔以上の破壊力を誇る満面の笑顔を俺に見せてくれた球磨は、今まで見てきたどの球磨よりも、輝いて見えた。
「球磨も楽しかったクマ! クマクマっ!!」
そしてそんな球磨の声は、今まで聞いたどの声よりもよろしくない、本当に楽しそうな声だった。声を聞いただけで、顔がほころんで聞いてるこっちまでうれしくなるような、そんな声だった。
まぁ、こんな日があってもいいか。今日だけは素直に認める。今日の妖怪アホ毛女はカワイイ。
その日の最後、俺達はやぐらの前で集合写真を撮った。隼鷹に爆撃されていたらしい提督さんは、ズタボロの状態でドリフのコントのような髪型になっていたが、満面の笑みで隼鷹と共に写っていた。暁ちゃんとビス子は最前線で手をつなぎ、くったくのない笑顔を見せていた。加古と川内は未だ夜戦が続いていたみたいで、写真の隅っこのほうにいた。川内が加古の肩にまたがって、彼女の髪の毛をくしゃくしゃにしていた。
北上と球磨は俺の両隣にいた。俺の顔に球磨のアホ毛が刺さり、それはそれはうっとおしかった。
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