原作前の学園生活
勇者(元)の片鱗
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本来の身体能力を発揮させたのでこけずにすんだが、ボールを途中で手放していた。
失敗かと俺はおもいながら、俺の片足が1歩、円の外にある事を見て、心の中で成功に喜び、顔を上げてボールの位置を確認した。
あれ?ボールがないぞ?
ドンッ!!
「え?」
俺の横からは大きな音が聞こえ、砂ぼこりが立ち込めていた。
砂ぼこりがはれた先に何があるのか見ると、なぜか俺が投げたボールがあった。
え?何でボールが円の内側に落ちてるの?
俺が首をひねっている一方で、回りが騒がしかった。
「今ボール、上に飛んだよなぁ?」
「飛んだけど、あれ俺のマンションの高さくらい飛んでたぜ。」
「え?たしかお前のマンション、40メートル以上あっただろ?」
「まぐれでしょ?」
「いやいや、まぐれであれはないだろ。」
「化けもんや!」
周りの声を聞く限り俺はボールを上に投げたようだ。それも、真上に40メートル以上。高1のレベルじゃねえよ!あと、化けもんとか言うなよな、意外と気づつくんだからね。ヤバい目立ち過ぎてる、どうしよ、どうしよう?……と、取り敢えずもう1回、さっさと終わらせて隠れよ。
急いで俺はボールを掴み、対策を考えながら円に入っていった。
結果はどうあれ、ボールが円の中にあった以上、1回目の記録は0メートルだ。たぶん原因は躓いたことで慌てたせいだな。上にあれだけ飛ばせたのに、前に飛ばさないのはさぼってると思われそうだし、今度はどうしよかなぁ?ん〜…………そうだ!手首だけ動かせばいいんじゃね?えーと……スナップ?の動きでボールを投げればいいか。よし!それでいこう!
俺は掴んだツルツルなボールを手首のスナップの動きだけで投げた。もちろん円からは足が1歩外に出ている。
ん?なんかさっきより投げやすかったような?
違和感を感じたが気にせずボールを見ると、放物線を描きゴトッ!という音とともに30メートルくらいのあたりに落ちた。
俺はよし!成功!と思っていたが、
「おいおい……今の……鉄球だぜ!」
「まじか、ハンドボールじゃなくて?」
「30メートルくらい飛んでるよな。」
「たしか砲丸投げの世界記録って23メートルだったような」
「うちに勧誘しなければ」
どうやら俺はまたやらかしたみたいだ。
質問や勧誘の取り巻きから解放され、またお説教をいただいた俺は、次の測定である50メートル走を行おうとしていた。
前回のハンドボール投げ?で目立って
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