暁 〜小説投稿サイト〜
ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第10章 エル・ファシル掃討作戦 前編
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
した(といっても我々が到着する頃には敵のほとんどは壊滅していた。さすが、ブルームハルト大尉というべきであっただろう)
この攻撃によってこのAー44地区の掃討作戦は完了した。
しかし、例の「ホークアイ」による狙撃による狙撃ドロップアウト判定数はこの地区だけで実に21名にも及んだ。そのうち第3中隊は9名と最多であった。
実戦であったらと思うと背筋が凍ったのをいまでも記憶している。
その後何度となく山岳地帯での演習が行われ、何度となく狙撃手特に「ホークアイ」に悩まされた。
これを聞いたローゼンリッター連隊副連隊長 ワルター・フォン・シェーンコップ中佐は自ら狙撃手を選び抜いて「ホークアイ」掃討作戦を展開した。
その掃討作戦部隊の面子は豪華というだけでは言葉足らずだっただろう。
まず、指揮官はライフル・ブラスター・狙撃ライフルいずれも特級のシェーンコップ中佐。副隊長は狙撃ではシェーンコップ中佐をも凌ぐと言われるデアデッケン大尉。指揮下の3個小隊には我が第3中隊からはクロイシュナー軍曹を含めた4名の狙撃手とエミール・レイ曹長が選出され、その他の中隊からも狙撃特級の射手が集められた。
そして、彼らは最後の演習で7日目の潜伏でデアデッケン大尉自らが「ホークアイ」狙撃に成功し、重症判定を与えて捕虜として連れ帰った。
その「ホークアイ」を見た瞬間私は目を疑った
そいつは私と同盟軍一般志願兵訓練課程で同期で、同時期にヘンシェルに赴任したミッキー・モレッティだった。
彼らは私を見た時笑顔で
「よう!エーリッヒじゃないか
元気だったか?」
と話しかけてきた。
捕虜詰問と兼ねて彼からヘンシェルの後の事を聞いた。
彼はヘンシェルで奇跡的に重症を負わずに済んだが、PTSDがひどくなり、一時予備役になって軍をやめようかと思っていた。そんなところに声をかけてきたのが、フェザーン駐在武官補だったヴィオラ中佐という風船を膨らませたような体格の男だった。
モレッティは優秀な射手だったので、連隊の狙撃手として活動していた。
そこで、中佐は彼にフェザーン駐在武官事務所の警備狙撃手として傭いたいと言ってきたそうである。当時彼自身、麻薬・酒に溺れており借金も抱えていた。
そこに中佐はつけ込んだのだ。
モレッティは二つ返事でそれを承諾した
結局フェザーンでやっていたのは警備ではなく帝国・フェザーンなどの要人を暗殺することだった。
これをやりながらもありとあらゆる激戦地へ予備役という肩書きで派兵されたそうである。
これが嫌になった彼は中佐に退職を希望したが中佐は彼に自ら現役兵として復帰を志願するかとこれを続けるかの二択を迫ったそうで、彼は止むを得ず前者をとったそうである。
また、彼からシェーンコップ中佐のとった捕縛作戦の概要を聞くことができた。
まず、中佐は無線
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ