暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第32話「集合」
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  昔々、とある国に、一人のお姫様とその騎士様がいました。

  お姫様はとても可愛らしく、そしてとても優しい子でした。

  騎士様はそんなお姫様に心から仕え、ずっと支えてきました。

  しかし、ある日、お姫様は強大な災厄に取り込まれてしまいます。

  騎士様は慌ててお姫様の下へ駆けつけましたが、既に他の騎士達は倒れていました。

  お姫様は災厄に囚われながらも騎士様に言います。

   ―――あなただけでも逃げてください...!

  しかし騎士様はそんなお姫様の願いを跳ね除けます。

   ―――私は貴女の騎士だ。絶対に助け出して見せる!

  そう言って、騎士様はお姫様を救うべく、災厄へとたった一人で立ち向かいました。

  何人もの騎士を倒した災厄との戦いは、長きに渡りました。

  城は崩れ、街も壊れ、大地は荒れ果てて行きました。

  それでも、騎士様は決して諦めず、お姫様助けようと戦い続けました。

  一体、どれほどの時間戦い続けたのでしょう。

  国そのものがなくなりかけた時、ついに騎士様は災厄を打ち倒しました。

  お姫様も助けだし、二人は仲良く国の再建に取り組みました。



  人々はお姫様を助けた騎士様の事をこう呼びます。

   ―――“忠義を貫きし英雄”....と。

  お姫様はその事を聞いて、騎士様に問います。

   ―――あなたはいつまでも私に仕えてくれますか?

  騎士様は答えました。

   ―――もちろんです。我が忠義は、貴女のために。

  やがて、国はかつての賑やかさを取り戻し、二人は平和に過ごして行きました。





                       古代ベルカおとぎ話全集より一部抜粋













       =緋雪side=





「お兄ちゃん.....!」

  私は、モニターに映るお兄ちゃんの戦いを、祈るようにして見つめる。

  司さんが撤退した後、お兄ちゃんは自身も撤退するための隙を作ろうとしたのか、敵である少女へと攻撃を仕掛けた。
  でも、生半可に攻撃が通じたのがいけなかったのか、今は完全に防戦一方だ。

「早く!彼の援護を!」

「ダメよ!」

  クロノさんが援護するように指示を出そうとして、椿さんが止めます。

「何のために優輝は一人で出たと思っているの!?それに、助けに行く者が相手と戦える強さでないと被害を増やすだけよ!」

「っ......。」

  そういう椿さんも、助けに行きたいのか、手が握りしめられており、見るからに悔しそうな
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