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詩集「棘」
刹那を抱く夕暮れ

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翳りゆく時間(トキ)
まるで世界が散りゆくような…
水溜まりに落ちた
紅と藍の空は
どこか遠くへと誘うように…

淋しさはいつも纏わりつき
心を哀しみへと引き摺り込む…

山の端に沈む太陽
緩やかに消滅する「今」…
刹那を抱く夕暮れは
一体…誰を憐れむのでしょう…


彩(イロ)移す四季
ポツンと一人 ただ黄昏て…
風が運んでくる
淡い春の匂い
冷たい冬がもうすぐ終わる…

切なさを振り返らないよう
未来(ヒカリ)追い求めて彷徨い歩き…

藍へ続くグラデーション
太古を描き出す星影
刹那を抱く夕暮れに
静かに感情(オモイ)溢れ出してゆく…

廻る季節もこの世界も
きっといつかは幻のように…
この手を擦り抜けるた残像は
魂の端を傷つけて…

彼方へと沈む太陽
緩やかに消滅する「今」…
刹那を抱く夕暮れは
一体…誰を憐れむのでしょう…




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