27.何だかよく分からない状況になったら考えるのを止める。だってよく分からないんだもの。
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<サラボナ>
フローラSIDE
「リュカと申します。美しいお嬢さん」
リュカ!?もしかして…
私は懐から、美しいカワセミを描いたワッペンを取り出し男性に見せた。
「これに…見覚えありますか?」
彼の瞳が綺麗に輝く。(この人格好いい)
「もしかしてフローラ…?君、フローラかい?」
あぁ…やっぱりあの時のリュカだ。
優しく私を諭してくれたリュカだ。
私の初恋のリュカ…とても逞しく格好良く素敵な男性になっている。
「覚えていてくれたのですね」
「忘れる訳ないよ。ステキな物を貰っちゃったし」
やだ、恥ずかしい…そう言えば私、リュカにとんでもない物を渡してたんだ…
・
・
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リュカはこの町に天空の盾を探しに来たという。
天空の盾とは我が家の家宝の盾の事だと思う。
これはチャンスだ!
私の婚約者選びの試練に合格すれば我が家の財産…つまり天空の盾も手に入れる事になる。
リュカが合格してくれれば、好きでもない人と結婚しなくても…いえ!リュカと結婚出来る!
「リュカ…私に天空の盾について心当たりがあります」
「本当かい!それは助かるよフローラ。君は僕の女神様かもしれないね」
そんな…恥ずかしい…リュカこそ私の…
「あ、歩きながら話しましょう」
恥ずかしさのあまりリュカの顔をまともに見れない私は、リュカに背を向け歩き出す。
「多分その盾は、私の家の家宝の盾だと思います」
「フローラの…」
「今、我が家ではあるコンテストが催されています。いえ、コンテストなどと言う生易しいものではなく、とても危険な試練が!」
「危険な試練…」
リュカの声に緊張感が混じる。
「その試練に成功した方に、我が家の財産を譲渡する。もちろん天空の盾も譲渡対象です」
「う〜ん…財産はともかく、盾だけでいいんだが…」
私は彼の呟きに驚いた。
普通の人達は財産のフレーズに色めき立つのに、リュカは興味を示さない。
やはり彼は他の人と違う。
我欲が無く、美しい心の持ち主なのだ。
私は彼に成功して欲しい。
だから結婚の事はギリギリまで黙っておく。
だって…私と結婚したくないと言われたくないもの、そんな事言われたら私…
フローラSIDE END
<サラボナ>
危険な試練かぁ…
やだなー…危険な事なんて…やだなー!
楽に金持ちになれるならいいけど、危険な事してまでは…
「う〜ん…財産はともかく、盾だけでいいんだが…」
盾だけでいいので危険な試練を受けなくていいですか?って言ってもダメかなぁー。
あー!ヤダ、ヤダヤダヤダ…危険な事ヤダ!
と、脳内で千人の俺が駄々っ子の様にのたうち回っていると、すごい豪邸に到着した。
「こ、ここがフローラのお家?」
ちょっとだけ圧倒されてる小心なボ
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