機動戦艦ナデシコ
1263話
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「ほうほう、なるほどな。こりゃぁ……いや、これだけを見ただけでも凄い技術を持ってるってのが分かるな」
片膝を格納庫の床についた姿勢――中世とかファンタジーで皇帝に謁見する時のような感じ――になったミロンガ改の肩の部分を調べていたウリバタケが、感心したように呟く。
これがエステバリスであれば、専用のメンテナンスベッドが用意されていてミロンガ改にこんな姿勢を取らせなくても済むんだが、イレギュラーであるミロンガ改に適したメンテナンスベッドがある訳もない。
エステバリスより多少大きいだけならともかく、ミロンガ改はエステバリスの3倍以上の大きさを持つ。
さすがにそんな大きさの機体をどうにかするメンテナンスベッドの類はないんだから、こんな姿勢を取るのもしょうがないだろう。
エステバリスが出撃する発進口と同じような理由だな。
「それで、どうなの? ネルガルで作れそうな規格?」
「うーん、そうだな。確実にとは言えないが、多分大丈夫だろ。ただ、規格そのものはこれまでの機体とは違う。けど戦艦やデルフィニウムに使われているものから流用すれば、1から設計するよりは大分楽だな」
ウリバタケの言葉に、エリナが安堵の息を吐く。
ナデシコの最大戦力がミサイルの残弾がないので戦えませんとかになれば、ちょっと情けないしな。
いや、実際にはビームマシンガンとビームサーベルがあるから、バッタやジョロ程度楽勝ではあるんだけど……うん? なるほど。多分エリナはビーム系の兵器を無尽蔵に使えるというのをあまり知られたくないんだろう。
ビーム自体はこの世界にも普通にあるらしいが、エネルギー切れは付きものなのだし。
他にもエナジーウィングとか、間違いなくこの世界ではオーバーテクノロジーだ。
いや、オーバーテクノロジーってのが今ある技術よりも更に先の技術という意味だとすれば、エナジーウィングは技術の発展方向が違った為に生み出された技術と言ってもいいのかもしれない。
それはともかくとして、俺にとってもミサイルの心配をしなくても良くなったってのは嬉しい限りだ。
「なら、早速データを纏めてちょうだい」
「おうさ。……なぁ、ちなみにだが、その際にミサイルの改良案とかあった場合、採用してくれるのか?」
「……改良案? 具体的にはどんな?」
訝しげな顔をして尋ねるエリナ。
俺もまた、興味半分でウリバタケの方へと視線を向ける。
ミサイルってのは改造のしやすさで言えばビーム兵器以上の代物だ。
なにせ、弾頭に何か特殊なものでも詰めれば、それは特殊弾頭となる。
あるいは、シャドウミラーで開発されたS-11ミサイルのように、純粋に爆発力を増してミサイルの威力を大きくするというのでもいいし、Nジャマーの類が存在しないこのナデシコ世界でなら
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