機動戦艦ナデシコ
1263話
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その理由の大部分は俺……より正確にはミロンガ改だろう。
だがそれを言うわけにもいかず、適当に誤魔化す。
「さぁ、どういう事!? 何で偽名を使ってナデシコに乗ったのかさっさと吐きなさい!」
「いや、だから別に偽名って訳じゃ……」
「なら、さっきの偽りの名前ってのは何なのよ!? その辺の事情をきちんと言いなさい!」
「だからだな。偽りの名前だけど偽名じゃないっていうか……」
色んな意味でエリナに押しまくられてるな。
ヤマダが女に弱いのか、それとも単純にエリナがグイグイと攻めているのか。
何だかんだで両方ともそれらしいな。
「ダイゴウジ・ガイってのは、魂の名前! 真実の名前なんだよ!」
「魂の名前とか、そういうのはいいの。あんたの名前は何なの!?」
「ダイゴウジ・ガイだ!」
「……ヤマダ・ジロウでしょ。あんたの戸籍に表記されている名前は」
そんな風にやり合っていると、映像モニタが起動する。
『あのー……そろそろナデシコが発進するので、戦闘準備の方お願い出来ませんか?』
困った表情のメグミがそう告げてくる。
ああ、そう言えばそうだったか。
メグミからの通信でエリナやヤマダ、テンカワ、ウリバタケといった面々も我に返ったのだろう。慌てて戦闘準備を始める。
「いい? この事は後できちんと話をつけるわよ。後で呼び出すから、それまで待ってなさい、ヤマダ!」
「だああああぁっ! こまけー女だな! 俺はダイゴウジ・ガイだっつってんだろ!」
そんな風に言いながらもヤマダもエステバリスへ向かおうとして……
「だからあんたは駄目だって。足骨折してんだろうが」
ウリバタケに止められる。
確かにこうして見ると足にギプスを巻いているし、松葉杖も持っている。
……そうだな、俺との相性も悪そうだし、あまり関わらない方が良さそうだ。
ヤマダの相手はエリナとか、同じパイロットのテンカワ辺りに任せておけば……
「ったく、俺はコックなのに何だってこんな……」
……コック? ああ、そう言えば何かそんな話を聞いたような覚えが……
ナデシコ、色々と複雑な人間が揃ってるっぽいな。
ミロンガ改へと向かいながら、そんな風に考えるのだった。
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