暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico?崇拝者の復讐〜Code 3 of the Dragon heart〜
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管理世界や無人世界などの衛星軌道上に設けられている軌道拘置所。そこは世界規模レベルで犯した次元犯罪者やテロリストの中でも、特に危険とされる手段・思想を持った人物とされた重犯罪者を収容するための施設だ。
その拘置所の一室に、1人の女性が収監されている。囚人服を着用しているその女性は、ぶつぶつと何かを呟いてばかりいた。
「シュヴァリエルさん・・・シュヴァリエルさん・・・シュヴァリエルさん・・・」
彼女が呟いていたのは、身寄りも家も家族も何も無いストリートチルドレンだった頃の自分を救ってくれた男の名。彼女は床に座り、壁に背を預け、涙を流しながら恩人の名前を呼び続けている。
彼女の名はエルマ。元ロストロギア専門蒐集組織リンドヴルムに所属していた違法魔導師だった女性。コードネームはハート3。ロストロギアの回収実行部隊の最精鋭部隊ドラゴンハートの実質的な副隊長だった。
「どうして・・・死んでしまったんですか・・・どうして・・・私を置いて逝ったんですか・・・どうして・・・どうして・・・」
チーム海鳴、古代遺失物管理部・機動一課、特別技能捜査課の三隊の協力によってリンドヴルムは壊滅した。エルマはシュヴァリエルの死を聞かされたことで精神に異常をきたし、逮捕後はずっと精神病院に入院していた。しかし、ようやくまともに会話も出来るまで回復したことで、通常通り聴取や裁判が行われ、その結果ここ軌道拘置所に収監されたのだった。
「私も・・・どうしてまだ生きているの・・・一緒に死にたかった・・・一緒に連れて逝ってください・・・シュヴァリエルさん・・・」
エルマの中にはシュヴァリエルへの崇拝の心しか存在しない。死ね、と言われれば死ぬだろう。それほどまでに彼女の世界の中心だったシュヴァリエルの死は、彼女そのものの世界崩壊を意味していた。それでも自死しないのは、シュヴァリエルから自分が死ぬことの許可を貰っていないから。彼女にとっては生死の選択もシュヴァリエルの指示が全てなのだ。そんな彼女の耳に・・・
「シュヴァリエル、愛されていて羨ましいね〜」
そんな声が届いた。エルマは驚くこともなく、というよりは無関心で声の出どころへと目をやった。そこにはベッドがあり、その真下に広がる影の中から音もなく1人の少女が顔を出した。が、「痛っ。狭っ」ベッド下は当然狭いため、その少女は頭をぶつけていた。
エルマはそれを一切の感情が籠っていない目で見ている。が、その少女が、彼女の崇拝しているシュヴァリエルの仲間であるということに気付き、「あ・・・」ようやく感情を見せた。だが、檻の中にはカメラが設置されているため動くことはなかった。
『やっほー、やっほー♪ えっと・・・名前なんだっけ?』
『エルマ・・・。ただのエルマです』
『そうそう。エルマ、エルマ
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