第2部
第8話 お前に最高の◯◯◯を与えてやるッ?? 後編
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った行動に出ていなかった故に、完全に手薄だったな……」
「この三笠の頭脳を持ってしても、この事態は予測不可能だったわ……」
「Quiet! 移動するみたいデース……」
???
木曾姉さんと合流し、商店街の散策を始めた。
時間的にまだ上映まで時間がかかるし、今の内に色々見ておきたい。
「然し、随分活気があるなぁ……戦時下とは思えない…」
「陸はこんなもんだ。
横須賀の襲撃が異例過ぎるんだよ」
「防衛ラインを破られてないから被害が殆どないのか……」
「それでも、物価の上昇でここいらも一時期は寂れてたんだぜ?
今はシーレーンを取り戻したから元に戻ってきてるが……」
「深海棲艦の出方次第……か。
早急にシーレーンの防備を固めないと……って、デートでする会話じゃないね……」
?を掻きながら苦笑いする。
その表情を見て、木曾も同じ様に笑った。
平和な一時。
サイレンが鳴れば、最前線に立ち戦わなければならない2人にとって、非現実的な時間だった。
思えば、一年前のあの日、深海棲艦の襲撃さえ無ければ、当たり前の様にあった筈の風景だ、と木曾は思った。
自分を姉と慕う一葉と共に過ごす、何事も無い、鎮守府での暮らし。
それが漸く取り戻せたのだと、木曾は実感した。
無論、これから先も深海棲艦との戦闘で互いに命を落とす可能性は0では無い。
だが、だからこそ、この一時が愛おしく思えたら。
(嗚呼、私は今……幸せなんだ)
ならこの一時を楽しもう。
愛おしく、狂おしい程に恋する弟分と一緒に、1秒でも多く。
いつか戦場で散ってしまうかもしれない愛する彼と共に。
「よし、次あっち行くぞッ??」
「え、木曾姉ぇ??」
手を引き、駈け出す。
そうだ、楽しもう、……今日という日は始まったばかりなのだから。
◎◎◎
リンドヴルム 医務室
リンドヴルムの魔窟……軍医たる香月夕呼の自室と化したゴミ部屋で、部屋の主たる夕呼は書類やらガラクタやらが占領するデスクでパソコンに向かって超高速でタイピングを行っていた。
先日、一葉から任されたMS用の増設コンデンサの正式量産モデルの設計図と、それに対する量産計画、それら諸々を常に印刷し吐き出し続けるプリンターが悲鳴を挙げ続け、室内は騒がしくなっている。
「暇だわ〜、クッッソ暇だわ〜」
夕呼は嘯いた。
この単調で刺激も糞もない仕事がまだ山積みなのだと再認識する度、ぶちギレて新しいMS用の武装を新規設計で造り上げ、その数早くも5つ。
開発部のエンジニアが見たら発狂するレベルである。
《....、....、》
「ん?」
ふと、ディスプレイから視線を外して無線機を見る。
回線を開いたまま放置していた技術開発用の
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