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昔妄想したものの書けず仕舞いに終わった幻のIS小説のプロット。
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シャルも真人も段々と砕けていき、周囲もそれを見て態度を軟化させる。全てが上手く行っているように見えた。

 しかし、ある日突然それは訪れた。

 些細な事故と勘違いから、シャルが女性であることが発覚したのだ。真人は当然最初こそシャルのことを本当に男性なのか疑ったが、学園が何も言わずに通したことを鑑みてシャルが女っぽいだけの男だと考えるようにしていた。だが、実際には女性だったと判明した時、真人の心にトラウマが蘇る。

 今までに幾度か受けたことのある、女性から男性への性的暴行の経験、それに対する憎しみと不快感。そして何より政府の施設に押し込まれた頃に教育係をしていた――真の母親とはこんな人ではないかとさえ思った――女性が実際には「真人を操り人形にするための調教係」だった事を知った時の不信感。それが一斉に蘇った真人は、叫ぶ。「俺を裏切ったな……俺を裏切ったなぁぁぁーーーッ!!」。シャルからすればそれは突然の豹変だった。

 シャルはそのまま部屋から荷物ごと一方的に追い出される。最初は戸惑い、やがて「確かに嘘をついていたのは悪かったなぁ」とぼんやり考えたのだが、たっぷり2時間ほど考えたシャルは自分が全然真人の対応に納得していない事に気付く。それまで割と仲良くしていたし、割と共感する部分も多かったし、今更「実は女でした」だけであそこまで怒られる謂れはないのではないか。要するに、シャルはちょっと怒っていた。
 シャルは改めて真人の部屋に行く。一度素直に騙していた事だけ謝ってもう一度話し合えば分かり合えるだろうと思ったのだ。しかし、真人の部屋の前には何故かのほほんが通せんぼをしていた。のほほん曰く、泣いてるらしい。やけ食いしているらしい。誰にも会いたくないと意地を張ってるらしい。

 想像以上に甘ったれで乙女みたいなことになっている真人にシャルは呆然とする。何というか、イメージと違い過ぎる。しかしのほほん曰く真人は元々意地っ張りで脆い人間らしい。その口調はどこかキツく、まるでシャルが悪者のような物言いだった。

 翌日、別にハニートラップなどをする気はなかったと謝りにいくシャルだが、真人はそれを無視。しつこく追跡するも無視。全力無視。真人が何を考えているのか分からないシャルは戸惑い周囲に意見を求める。すると一夏から「意固地になってるんじゃないのか?」という意見と、セシリアから「あの人と分かり合うには真正面から喧嘩を売るのが一番ですわ」という意見を受け取る。

 シャルは、シャルからしてみればものすごく些細なことでここまで意固地になる真人に完全にキレた。「おどれは面倒くさい乙女かぁぁぁ〜〜〜〜っ!!」こうなったら意地っ張りの『仲間』と真正面から戦争だ!シャルは教室内でツーマンセルトーナメントで絶対に真人を倒すと盛大に宣戦布告した。

 真
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