昔妄想したものの書けず仕舞いに終わった幻のIS小説のプロット。
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斉に真人と、更には治療中の真耶にまで責任を押し付けて騒ぎ立てる。責任を全うした真耶まで責められたことに苛立った真人は周囲に「IS操縦者にはそもそも人を守る義務など無い。そんな社会に文句も言わずに恭順していたのはお前達だ」と罵倒する。大人たちは黙りこくったが、石を投げた子供だけは何一つ納得できていなかった。真人はその少年の瞳に、幼い頃の荒れていた自分を重ね、「彼だけが真実を見つめている」という錯覚を覚えた。
意識を取り戻した真耶は真人を気遣うが、すっかり卑屈になり責任を感じていた真人はそれでもなお本心を隠そうとする。真耶は真人が無理している事をすぐに見抜き、全力で本音をぶつけて真人に溜めこんでいる感情を少しでも出してほしいと要求する。すると、真人は上ずった声でこう告げた。
「先生のお腹の傷は跡形もなくスッキリ消せるそうですけど、右足の火傷はどう治療しても痕が残るそうです……俺に付き合って巻き込まれたばかりに、一生ものの傷を負わせてしまいました」。自分はこんな立派な人間に関わるべきではない――彼はそう思っていた。しかし、そうやって辛い事を自分のせいにして取り込んでしまうことこそ、真耶が最も彼にして欲しくないことだった。二人は言いたいことも言えないまま距離だけが縮まり、すれ違う。
一方学園ではゴーレム襲撃事件が発生して一夏がこれを原作通り解決する。しかし、鈴が「一歩間違えば全員死んでいた」と泣きながら訴えたことで、一夏の心にまた一つ「何が正しいことなのか?」という漠然とした疑問が積み重なる。二律背反的なその問いに正答など見つからない。
さらに、自分がそうして事件を解決している裏で真人があまりにも過酷な事件にぶつかっていたことを知った一夏は、自分の力が余りにもちっぽけであることを再度自覚させられた。「俺は、風原のやつを助ける事は出来ないのか――?」。そんな事は、ない筈だ。
第四章
風原達の知らない場所で三つの動きがあった。一つは男性IS操縦者と専用ISについて情報を抜きだそうとするデュノア社。一つは千冬の個人的な真人護衛依頼を受け取ったラウラ。そしてもう一つ――真人の父親である風原真二の行方を掴んだ日本政府だ。
間宮真二は女性をとっかえひっかえしながら借金取りから逃れる生活を送っており、真人はそんな中で生まれた子だった。真二は子供が出来て暫くは真人の母親の「ユウミ(現在行方不明、身元不特定)」と暮らしていたが面倒になり逃走。その後も数人の女性と関係を持った後、二人目の子供を授かっていた。その後の真二の行方はぷっつり途切れている。
この父親の遺伝情報に男性IS操縦者の謎が隠されている可能性を考えた政府はその女性の娘を半ば強制的に保護し、母親も連動して身柄を保護する。現在の生活を壊されたくなかった娘だったが
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