昔妄想したものの書けず仕舞いに終わった幻のIS小説のプロット。
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格的に悪化し始める。
セシリアとの決闘では計算上打鉄でセシリアには勝てないことは理解していたが、一瞬の隙をついて猛攻を仕掛ける。これは委員会や政府に対する完全なパフォーマンスなのだが、馬乗りになって顔面に拳銃を発砲し続けるという余りにも暴力的な攻撃はセシリアを恐怖させる。
同時に、それほどまでに過激な攻撃を仕掛けたにもかかわらずセシリアの抵抗で敗北した真人は、この勝負そのものに全く興味がないように立ち去ろうとする。そこでセシリアは、真人が常人と根本的な部分で違う存在であると感じ、何のために戦うのか問いかける。
真人が戦ったのは実質的に親の為だ。血の繋がらない里親だし散々迷惑をかけて泣かせたが、それでもやっと理解しあえた両親に余計な心労を賭ける結果にならないために敢えて狗のふりをした。だから真人の回答は「家族のため」の一言だった。
その後、セシリアは一夏と戦う前の休憩時間にもう一度真人と出会い、少しばかり家族の事を話し、「家族の為に戦える貴方が羨ましい」ということと、セシリアがそのような人間であることを伝える。それまでセシリアの名前を覚えてさえいなかった真人はセシリアが何故そんな話をしたのが理解できずに怪訝な顔をするが、セシリアの中に無意識ながら中学時代の親友にあった「芯」のようなものを感じ、少しだけ話をした。
「オルコットの名は、お前の母親と父親が名乗った姓だ。それを名乗るお前は今、両親と肩を並べている」。最悪の家族だった肉親の姓を捨てた真人なりの解釈だったが、セシリアはどこか得心がいったような表情を浮かべた。
(なお、この際に軽いジョーク交じりの会話まで交わし、真人はセシリアが思ったよりキュートな人物であると感じた)
彼を巡る環境は最悪だが、セシリアとは少しだけ通じ合えたのであった。
なお、千冬たち教師も教える側として若輩ながらも真人を見守ろうと考えていたため、セシリアと親しくなったことを喜ばしく思う。しかし、彼女たちは真人を巡る様々な困難の入り口にすら立っていない事を、まだ知らなかった。
第二章
一夏は、IS学園という環境が内包する歪な認識に気付き始める。セシリアにまぐれ勝ちした一夏はやたら褒められているのに、自力でセシリアに肉薄した真人の評価が異常に低いどころか一方的に貶されていた。更に箒に「そもそも一夏の住む地域の外では更なる女尊男卑が広がっている」という事実を知らされる。
あんな存在が、自分たちと同級生――真人には避けられているが、彼が努力をしたであろうことは一夏にも想像がついた。故に、そんな事実も確かめようとせずに一方的に是非を決める周囲が許せない。でも自分と話している時はどこまでも普通で『善悪の境』が見えない。少しずつ、一夏は自分が正しいのかと悩み始めていた
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