大舞踊演舞
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そして、ついに魔導士たちがユキノさんを手に入れるために、乱闘騒ぎへとなだれ込んでしまった。
「ちょ・・・これどうしようか・・・」
「私たちじゃ止められないよね?」
「“愛”があればいいじゃない」
テーブルやら料理やらをひっくり返しながら殴りあったり掴みあったりしている皆さん。俺たちはそれを見て、どうするべきなのか悩んでしまう。
「俺が止めてやろうか?」
「いや・・・やめて」
その間に、料理を口に放り込んでいるレオンがこの騒ぎを止めようかと提案してくれたけど、こいつが止めたらたぶん城が大変なことになる。下手したらこの部屋消し飛ぶぞ。
「皆のもの!!そこまでだ!!」
大騒ぎになってしまった大魔闘演武の打ち上げパーティー。そこに、アルカディオスさんが現れ、騒ぎを終息させる。
「この度の大魔闘演武の武勇と、国の危機を救った労を労い、陛下が直々に挨拶なさる!!心せよ!!」
それを聞いた皆さんは、口を閉じ、王様がやってくるであろう場所に視線を集める。そして、扉が開くと、ゆっくりと向かってくる足音が聞こえてくる。
「ん?」
だが、一番最初に姿を現した人物を見て、目を点にしてしまう。だってその人はどう見ても王様じゃないからだ。
「皆の衆!!楽にせよ!!カーカッカッカッ!!」
「「「「「なーっ!?」」」」」
なんと王冠を被って俺たちの前に現れたのは、何を隠そうナツさんだったのだ。その後ろにマトー君と大臣がいるのを見ると、彼が勝手に乱入してきたことが容易に想像できる。
「俺が王様だ!!王様になったぞぉ!!」
両腕を広げ、喜びを表現するナツさん。それを見た俺たちは、また何か言われると思うと、頭が痛くなるのを感じた。
「返すカボ!!」
「いいだろ優勝したんだから!!」
「返すカボ!!」
「俺にも王様やらせろよ!!お前ら子分な!!」
王冠を取り戻そうと必死のマトー君に聞く耳を持たないナツさん。それを見て頭を抱えていた俺たちは、とうとう一周回って笑ってしまった。
「やり過ぎなのよ」
「あいさー」
みんなの驚かせようとしていたからずっと姿を現さなかったナツさん。そんな彼の破天荒ぶりに、全員が笑顔になった。後で怒られることは間違いないけど、全部ナツさんのせいにすればいいやと開き直り、今はこの時を楽しく過ごすことにした。
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