大舞踊演舞
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シリルside
大魔闘演武、ドラゴンの戦いから数日後、俺たちはあるところへと招待され、そこに来ていた。
「グレイさん!!ガジルさん!!これならどうですか!!」
お城のある一室。ここは現在俺たち妖精の尻尾の男性陣の更衣室になっている。様々な正装が部屋中にかけられており、俺はその中の一着を着て二人の前にやってくる。
「ああ・・・」
「まぁ・・・いいんじゃねぇの?」
何か言いたげな氷の魔導士と鉄竜。だけど、二人はグッと堪え、額を押さえながらそう言った。
「なんですか?言いたいことがあるなら言ってくださいよ」
「「似合ってねぇ」」
シリーン!!あっさりと二人にそう言われ、ショックを受けてしまう。さっきから何度も何度も服を変えては「違和感がある」だの「それは変だ」だの言われて、諦めて一番合いそうな蝶ネクタイに青いジャケット羽織るお子様スタイルにしたのに、それすらも否定されてしまう。
「じゃあ何着ればいいんですか!?教えてくださいよ!!」
俺がそう言うと、二人は苦虫を噛み潰したような表情でうつ向いてしまう。しばらくすると、二人は視線を交わし、うなずきあっていた。
「正直に言ってもいいか?」
「どうぞ」
そりゃ正直に言ってもらわないと、こちらとしてはどうしようもない。
「ドレス」
「え?」
「女物のドレスしかお前着こなせねぇだろうが」
人のことを言えるのかと思うほど似合っていないタキシードを着ているガジルさんにそう言われる。着こなせないって・・・一応俺、ドレスなんかほとんど着たことないぞ?勝手に脳内イメージしないでくださいよ・・・
「着たくねぇだろ、ドレスなんか」
「そ・・・そうですね・・・」
誰が好き好んで女物のドレスなんかに腕を通すのだろうか。そう言うのはやっぱり女性陣が着るから映えるのであって、俺が着たって全く意味はないだろう。
「もうそれでいいから。とっとと行こうぜ」
いつの間にか上半身裸になっているグレイさんが扉から出ていく。もう似合ってるとか似合ってないとかはどうでもいいや。半ばヤケクソ気味にそう思い、グレイさんが置いていった服を持って彼らの後をついていった。
「わぁ!!」
「すご〜い・・・」
妖精の尻尾の皆さんが多く集まっているテーブルで談笑していると、ドレスに着替えてきたルーシィさんやウェンディ、ミラさんとユキノさんがやってくる。
彼女たちは様々なテーブルに置かれた豪華な料理や、ピカピカに清掃されている部屋を見て目をキラキラさせていた。
「おう!!来たか」
「おせーぞ!!」
「お前似合わな過ぎ
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