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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
プロローグ2 フェイト・テスタロッサ
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(……行こう)
店の中で店員からぬいぐるみを貰った子供が喜んでいた。
それを見て更に複雑な気持ちになりながら、しかしそれを振り払うように向きを変え、再び歩み直そうとした。
「きゃ!?」
「おっと!」
だが、気づかなかった。
目の前を白い制服を着た少年が歩いていたことに。
私は正面からぶつかりかけ、反射的に後ろに飛んだつもりだった。
けど、さっきのことに気を取られて足が絡まって倒れ――――
「――――っと、大丈夫か?」
「え……?」
目の前にいた少年は、気づけば横に回って私の肩を抱いて支えてくれていた。
目を閉じたつもりはない。
なのに彼は一瞬に近い速度で私を抱きとめてくれた。
「ケガはしてないようだけど……」
心配そうな表情なのに声は凄く落ち着いていて、聞いていて安心するような声だった。
驚きのあまり言葉を失った私は、瞬きもせず彼の顔を見つめていた。
銀色の髪に黒い瞳。
その綺麗な瞳に、なぜか私は心を見透かされるような気分になった。
澄んだ泉のように綺麗な瞳は、覗き込めば覗き込むほど潜れそうな深さを感じた。
その先に何があるのか、私には分からないけど。
けど、なぜか彼の瞳を見たとき、なんとなくだけど思ったことがある。
この人は、どこか私に似てると思った。
だってその瞳は、その表情は、取り繕ってるけど……孤独な人のそれと同じだったから。
私もきっと、こんな表情なんだと思う。
そう思いながら、私は胸の中に湧き上がる一つの感情に気づいた。
確かな熱を持った、不快感ではない。
むしろ心地よさすら感じる熱を持った感情。
これは……なに?
「……おい、大丈夫か?」
「え……あ、あぁ、うん!」
気づけば私は、彼を見つめながら呆けていた。
彼に声をかけれて私は、ようやく我を取り戻した。
「ご、ごめん!」
慌てて立ち上がり、彼から半歩下がって頭を下げる。
「いやいやそんな、謝らなくていいよ」
そう言って彼は屈託のない笑みを見せた。
ああ、彼は本心で言ってるんだ。
それが分かるくらいの笑顔は、家族以外では初めてだった。
その上、異性ともなればまた初めてなわけで、私はその新鮮さに戸惑っていた。
「……まぁいいや。
とにかく互いにケガもないし、俺はこれで失礼するよ」
「う、うん、ありがとう」
「どういたしまして!」
そう言って彼はまた屈託のない笑顔を見せてから走り去っていった。
不思議な人に出会ったような気がする。
色んな世界を巡って、彼のような
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