第16話「ごうりゅう」
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俺の呟きが聞こえたのか、祠堂が首を傾げる。
「とりあえず私らの事を紹介した方がいいんじゃねえの?」
「..そうだな。」
俺と蘭、美紀と祠堂の関係は分かったとしても、胡桃たちを蘭と祠堂は知らない。
「私は若狭悠里よ。元園芸部で主に家計簿と菜園の管理をしてるわね。」
「私は恵飛須沢胡桃。元陸上部で、校内の見回りの担当をしてる。」
「ちなみに俺は一階のバリケードの強化や、奴らが入ってきてないかの確認を担当してるな。」
多分、俺の事は蘭から親友だとか紹介されてるだろうから、自己紹介は省いておく。
「それと、今はいないけど丈槍由紀ちゃん。この子は...後で説明するわ。」
「それと国語の先生の佐倉慈先生。私達は大抵めぐねえって呼んでるな。」
俺は呼んでないけどな。
「この四人は事件当初、屋上に篭った事で何とか無事だったらしい。」
「遼は?」
いつの間にか戻ってきていた蘭が俺に聞く。
「俺は家で風邪を治してから学校に来た。」
「ちょっ....。」
仕方ないだろう。風邪が重なったんだから。
「...で、由紀の事なんだが....。」
俺たちは蘭と祠堂に由紀の事を話す。
由紀はこの状況に耐えられなくなって現実逃避をしている事。
由紀にとっては学園生活部という部活をしているだけで、普通の日常と変わらない事。
できる限り由紀に話を合わせてほしい事。
それらを話した。
「それ...は...。」
「...うん、わかった。」
祠堂は絶句したが、蘭は割とあっさり受け入れた。
「遼もそうするように判断したんでしょ?なら、私もそうするよ。」
「そうか。助かる。」
蘭は少なからず理解もしてくれてるみたいだな。
「圭ちゃん。その由紀って子が現実逃避してるのも、ひとえに生きるためだよ。...こんな状況だから、心が壊れそうになる人間も出てくるからね。」
「あ.....。」
辛い事を思いだしたのか、祠堂は顔を固まらせる。
「...まぁ、良い奴ではあるから、そう気負う必要はないだろう。」
「...はい。」
...さて、一通り話は終わったな。
「時間は...もう昼か。悠里、昼食の準備をするぞ。」
「ええ。分かったわ。」
話を一度切り上げ、悠里は昼食の準備をする。
...と言っても、レトルトとかだけど。
「昼だから先生と由紀も帰ってくるな。...話、合わせるようにな?」
「分かったよ。」
「....はい。」
まぁ、合わせるって言ってもそこまで難しくないんだよな。
...普段は、だけど。
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