第16話「ごうりゅう」
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=遼side=
「ほれ、ほれ。」
「わうっ!わふっ!」
乾パンを片手に、太郎丸で遊ぶ。
美紀が正式に入部したとしても、すぐに何か変わる訳でもなく、普通に朝を迎えていた。
「...元気いいなこいつ。」
「私とは仲良くしてくれませんけどね....。」
なんか悲しい雰囲気を纏わせながら美紀は言う。
...そういや、何かと美紀は無視するな。こいつ。
「あー...うん、仲直りできるさ。....多分。」
「......。」
...悪い、適当な事言った...。
「と、とりあえず俺は日課の狙撃をしてくる。」
「おーう、行って来い。」
もうすぐ昼だしな。午前中に終わらせておきたい。
「...んーと....んん...?」
スコープから覗くと、チラッと気になるものが見えた。
「あれは....。」
「何か見えたの?」
気になった悠里が話しかけてくる。
「明らかに奴らとは違う動きを見つけた。....っと、いたいた。」
スコープで再度見つける。...二人か....って、あれは!?
「蘭...?蘭か...!」
「知り合い?」
「まぁな。無事だとは思ってたが、ここまで来たか...。」
結構学校から離れた場所に住んでいるから、別の場所に避難してると思ったぜ。
「...っと、襲われてる。一応、援護するか。」
蘭ともう一人の進行方向に奴らが何体かいるのを見つける。
蘭一人で簡単に倒してしまいそうだが、先に一体を狙撃する。
「多分、今ので俺だと気付くはず。」
「....さすがにそれはないんじゃ....。」
「お、こっち向いた。」
「嘘っ!?」
残ってた奴らを片づけた後、少し見回して屋上の方を見てくる。
「太陽の位置は....よし、これで...。」
懐から手鏡を取り出し、日光を反射させて気付かせる。
「なるほど、そうやって場所を....。」
「そう言う事。お、あっちもやってきた。」
チカチカと、スコープで見つけた場所から光が反射される。
「....ん?なんかリズムを取っている...?」
いや...これは、モールス信号か!
『も・し・か・し・て・りょ・う・な・の?』
『そ・の・と・お・り・だ。』
俺かどうか確認してきたので、そうだと返事を返す。
『い・ま・か・ら・そ・っ・ち・い・く・ね?』
『ま・っ・て・る・ぞ。』
そう合図を送ると、歩き出したのか光が来なくなった。
「....お、ちゃんとこっち来てるな。」
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