第4話「やりこみ要素があればあるほどゲームは楽しめる」
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るデータの影響を受けます。幾多のウィルスと戦うセキュリティプログラム『白血球王』は、何より強い存在でなくてはいけません】
「つまり……」
【ええ。あれがそのイメージを反映した結果。私の導き出した答えなのでしょう】
デジタルな瞳で『白血球王』を見据える『たま』。
一方の白血球王は不機嫌な目を突き刺してくる銀時に、今にも斬りかかりそうな勢いで背中の長剣に手をのばしていた。
【最強の二人が揃いました。もう恐れる物はありません】
この戦いに勝利を確信した、という感じで『たま』は言う。
しかし肝心の彼らは一歩も譲らない喧嘩腰だ。どう見たって雲行きは怪しい。
髪色に顔立ちや体格はと、どれも同じなのに。
そんな容姿が瓜二つの男たちを、双葉はなぜか重たげに見つめていた。
【そうか……貴様が俺の……】
やがて何かを悟ったように呟いて、白血球王は長剣から手を離した。
銀時もまた剣幕が薄れた勇者の胸倉を離すが、二人が火花を散らし合うのは変わらない。
【ともあれ、人格データがこうも違うところを見るに、内面は評価されていないようだな】
「なんだとォ!」
【当然だ、こんな腑抜けた男。そんな雑菌まみれの手では、たま様を護ることなどできはしない】
鋭い目つきで、白血球王は吐き捨てるように言った。
見下すように、格の差をつけるように。
【『獏』を倒すのは、この俺だ】
そして低く凛々しい声で静かに、しかし力強く宣言した。
完全に外界の戦士を足払う雰囲気をまといながら。
【貴様の出る幕などありはしない。たま様を護れるのは、この俺だけだ】
そう白き勇者は銀時を――下界の戦士に冷たく言い放つのだった。
どこまでも孤高な闘志を携えて。
* * *
データとプログラムで埋め尽くされた世界は、今や闇に飲まれていた。
天も地も黒一色に染まり、荒れる風は心を不安にさせる邪悪な雰囲気をばら撒いている。
そして大地の真ん中には、無数の配線を生やした巨大なドームがそびえ立っていた。
だが、そのドームを捕縛するかの如く周囲には塀が築かれており、それは見る者を圧倒し絶望を植えつける様なおぞましい城へと変貌させていた。
そんな闇の世界を崖の上から見渡し、そして遥か先の城を見つめる勇者が一人。
【アレがたま様の中枢システムだ。既にウィルスに深く浸食され、奴らの牙城と化している】
暗黒の城に取り囲まれたドームを眺望しながら言う白血球王。
【あれに巣食い、奴らの頭脳となり、『獏』を生みだし続けるのが『獏大魔王』。つまり、奴さえ駆除すれば全ての『獏』も無力化する。体内に平和を取り戻すには……たま様を救うには奴を倒すしかない】
緊迫した空気の中、白血球
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