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Rの証明
第一話  彼の友達
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理してみる?」

 にっこりと微笑まれて、むぅっと頬を膨らませた少女はそっぽを向く。
 彼の家ならば料理や洗濯ならそれこそ家に仕えるモノがしてくれるはずなのだ。だというのにレッドは自分でなんでもやりたがる。

 家事を行うのが育ての親と接点を持つ為の口実であることは、この少女――ナツメも理解していた。
 多忙を極めている彼の親は、朝くらいしか会う時間が無いのだ。
 ナツメにはそれが少し羨ましい。

 彼女の実家は裕福であった。
 元々このヤマブキシティに暮らしている人々は富裕層が多く、彼女の家もその中の一つ。
 仕事で忙しい父と母。どちらもやり手な為か、自然とナツメとの時間は減ってくる。
 どうにか接点を持とうと思っても、幼い彼女に出来ることなどそれほど多くない。しかし、裕福である為に、レッドのように家事を手伝うということも生まれた時からしたことが無い。
 齢七歳となった今でも、全ては使用人にまかせっきりである。

 ただ、そんな彼女には一つ特殊な力があった。
 キン、と頭の中で音を鳴らす。目を瞑ったナツメは彼の頭を覗き見た。
 浮かんでくるのは……楽しそうに笑いながらハムエッグトーストを齧る壮年の男とレッドの食卓風景。
 彼女がうらやむ家族の食卓が、其処にあった。

 そう……彼女はエスパーだった。

 幼い頃に発現したその力は、手に持った朝食用のスプーンが勝手に曲がった時に気付いたモノ。
 それを目撃した母の眼は今でも忘れることは無い。化け物を見るような、そんな目。
 明日は雨が降るよ、と教えたこともあった。
 事故が起こるから今日は仕事に行かない方がいい、と伝えた日もあった。
 そして家に侵入した盗人を……超能力で脳死させたのが最後。

 母は彼女を避け、父は仕事を理由に彼女との接触を拒み、使用人達も不気味なモノを見るような目で見るだけとなった。
 テレパスも、サイコキノも、テレキネシスも……彼女を助ける為に存在しているのに全てが彼女を人から遠ざける。まるでお前は人では無いと、そう伝えるように。

 人は自分には無い力を持つモノを恐れる。故に、彼女は一人ぼっちとなっていた。
 部屋のベッドの上でケーシィ人形を抱いて過ごす毎日。人間などもう信じないと、そう思い始めた頃。そんな彼女の元に現れたのがレッドだった。

 父の取引先だという男がレッドの育ての親で、年齢も近いということで取り引き交渉の間に共に遊ぶこととなったのだ。
 正直な話、ナツメはどうせすぐにレッドも他の人間と同じように恐れるのだろうと諦観していた。だから、どうせなら拒絶される前に拒絶してやろうと思った。

 庭先でケーシィ人形を抱いて座っていた彼女の元に現れたレッドを睨みつけ、彼を能力で吹き飛ばした。
 吹き飛ばすと
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