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Rの証明
プロローグ
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った。レッドと話している男の方が子供のように見えるだろう。

「おっちゃん」
「それもダメだ」
「……まだ名前も聞いてないから分かんない」

 口を尖らせたレッドに、男はニッと歯を見せて笑って見せた。レッドはその笑みを不思議そうな眼差しで見つめた。

「これから一緒に暮らすんだ、友達というより家族だろう」
「家族? お母さんと同じ?」
「それも……レッド次第だ」
「また難しい。おじ……むぅ、はやく名前教えて」

 くしゃり、と頭を撫でられた。名前は教えてくれなかったが、悪い気分はしなかった。
 漸く手を繋いで貰い、そのまま引かれて、レッドはゆっくりと歩きだした男に倣って進む。二人共が何も聞かず、何も言わなかった。
 ポケモンセンターを出て少し行った所で漸く、レッドの手を離して向き直り、今度は男の方から手を差し出した。

「サカキ、俺の名前はサカキだ。これからよろしくな、レッド」
「……うんっ!」

 それがレッドの心に刻まれている、サカキとの初めての思い出であった。


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