episode5 ーH・E・R・O Flash!!ー
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
日香先輩と楓さんの表情が眉間に皺を寄せて、怒りの表情を形取る。
「…………懲りないわね、十代。ホントに、縛って、沈めてやろうかしら」
「えぇ、それでいいと思いますよ。もっとも決闘者たるものそれくらいじゃあ死にませんので……やるなら、思いっきりやりなさい」
《女王様》とは、どうやら先輩の事のようで修羅の表情を浮かべて、物騒な事を口にしていた。そして、それを普通にお喋りするような調子で肯定する楓さん。美人な人ほど怒ると怖いと、初めて実感した瞬間だった。
……しかし、楓さんは決闘者をどんな超人と勘違いしているのだろうか?
『おーい、誰も居ねえのかー?』
『ちょっ!?兄貴、声がでかいっす!』
『諦めるドン、丸藤先輩。多分、もうバレてる……』
再び響く男子生徒の声。
一体何の用なのだろう、と考えていると楓さんがため息混じりに肩をすくめているのが見えた。
「はァァァァ……。やはり、十代さんですか。会議でも、注意するようにと言われましたが……いやはや、これほどまでとは」
「ご心中お察ししますわ、先生」
はぁ〜と深いため息を吐く楓さん。先輩は彼女を慰めるように肩に手を置いた。
しかし、楓さんが言うほど不良生徒なのだろうか。初めて会話した時は、凄くハツラツとしていていい人に思えたのだけれども。
その辺りの事を明日香先輩に訊ねると、「あなたは、彼の事を知らないからそんな事を言えるのよ」と諭された。
『おっ、こっちからいい匂いがするぜ!行ってみるか!』
『ちょっと、そっち待って?!剣山くん、兄貴を止めてっ!』
『諦めるドン。走り出した兄貴は恐竜さんでも止められないザウルス』
『そんな〜……』
三たび聞こえてくる声。
声の主たちは、どんどんとこちらへとやって来ているようだ。
そうして、遂に食堂の扉が開け放たれ三人の男子生徒が姿を見せる。
「お、明日香じゃん!」
「あら、十代。おはよう。ところで、ここは男子禁制の花園と知っての愚行かしら?」
「へへっ、そんな堅苦しい事言うなよな」
十代先輩を見据える明日香先輩の瞳に剣呑な光が灯る。側から見ているだけでも、恐ろしいのに、十代先輩はまったく堪えていないようだ。一方で、翔さんと剣山さんはしきりに頭を下げつつけている。
「ところで、何の用ですかねぇ?一応、用件だけは聞いてあげましょう。もっともそのあと叩き出しますが」
改心させるのを早々諦めたのか、楓さんが十代先輩へと用件を訊ねる。だが、思いがけない人物名に驚愕させられる。
「おっ、じゃあ、レンカっていうやつはどいつだ?俺とデュエルとしようぜ!」
「ーーーっ??」
プロとして活動している時のネームが出され
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ