機動戦艦ナデシコ
1262話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ミロンガ改のデータ取りをしたいというのはエリナにとっても間違いのない事実だったらしく、一瞬言葉に詰まる。
だが、それでもすぐに立ち直ってくるのはネルガルという大企業の会長秘書を務めているだけのことはある。
「とにかく、データ取り云々の事は置いておくとして」
いや、勝手に置いておかないで欲しいんだけどな。
さすがに現状では色々と急ぐから突っ込まないけど。
「ふーん。自分に都合の悪い事は放っておくんだ」
……俺が突っ込まなかったのに、ハルカの方が突っ込んでしまう。
まぁ、その気持ちは分からないでもないが。
特にハルカの場合、さっき俺との言い争いを強引に鎮圧させられたりもしてたし。
その辺を考えると、エリナに対して面白くない気持ちを抱いていてもおかしくはない。
「……コホン。とにかく一旦ブリッジに行くわよ。貴方達も来なさい。確か貴方はナデシコの操舵手だったわよね? 何で今ここにいるのかは敢えて聞かないけど」
意味ありげな視線を向けるエリナに、ハルカは溜息を吐いて口を開く。
「別に後ろ暗いことはないわよ? プロスさんに頼まれて、アクセルに着替えを持ってきただけだから」
サボる気満々だった事は全く表に出さないままに告げる。
そう言えばハルカも元は秘書。そういう意味では、エリナと似た者同士なんだよな。
対抗意識はその辺もあるのか?
「ま、そういう事にしておきましょ。とにかく今は時間がないの。このままだとナデシコは止まったまま連合軍に襲撃されるわ」
「で、急いで出発するって事か? 火星に行くんだったよな?」
「ええ。でも、その前に色々と補給をする必要もあるし、貴方の機体の件も何とかしないといけないでしょ? ミサイルの規格についても調べないといけないし」
「……ああ、そうか。その辺の契約は守ってくれてるのか」
俺が見ていない場所でミロンガ改に手を出さない事、というのをしっかりと守っていたのだろう。
てっきり、ドサクサ紛れに妙な手を使うかもしれないと思っていたが、安心出来る。
「それはね。何でも、かなり酷い脅しをしたって聞いたわよ? 今、貴方に抜けられれば、ネルガルとしても大損だもの。そういう訳で、サセボシティから出撃したらなるべく早い内にミサイルの規格を調べさせてちょうだい。それと、出来れば今装備しているミサイルも見せて貰えると嬉しいんだけど」
エリナの言葉に一瞬動きを止め、首を横に振る。
「悪いけど、今ミサイルは装備されてないんだ。ここに来るまでの間に使ってしまってな」
「……そうなの?」
「ああ」
勿論嘘だ。
何しろ今ミロンガ改の肩に装備されているミサイルは、普通のミサイルではない。S-11ミサイルなのだ。
マブラヴ世界で
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ