第3話『入学試験』
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ったっけ?』
『それを言うなよ……』
『あ〜。そういや友達を作るのが一足遅れてぼっちになりかけてたもんな。俺が話し掛けてやらなきゃ、今頃どうなっていたことか…』
『忘れたい黒歴史かも…』
『大丈夫って。そういう人は沢山いるから。私達が協力して晴登に友達を作ってあげるよ』
『それなんか悲しいから止めろ』
『じゃあ、中学校でも3人で居るか!』
『『『うん!!』』』
『三人で一緒に過ごす』
俺が小6の頃、三人で約束した事だ。
些細な事だが、守るのが当たり前の約束だ。
だから俺に“リタイア”なんて文字は無い!
さぁ考えろ! この状況を脱する為に!
「…はっ!?」
その時、俺は記憶の片隅にあったある事を思い出す。
ついさっき、エレベーターに乗ったときのボタンに・・・“屋上”があったことを!!
高い所から見渡せば、恐らく体育館くらいなら見える!!
「よし!」ダッ
俺はさっきの校舎に戻ることにした。
近くには別の校舎が在るが、山本の言い方的に移動が階段だと思われる。第一、絶対迷う。
だったら一度居た場所の方が、安心できるってもんだ。
俺は願いを込めて、さっきの校舎の玄関に入った。
バタン
「着いた…」
俺は屋上の真ん中に、一人ポツンと立っていた。
そこらの陸では感じられない風が顔を撫でる。心地よい風だ。
あ、でも気になる事が一つ。
『屋上は行ってもいいのか』?
小学生の頃は「危険だから」という理由で、屋上には入れなかった。なので、今回“屋上”に来るというのは初めてだし、嬉しいのだが…。
何だろう。もしダメだった時が怖い…。
いやだが待て。山本が何も言ってこないから別に良いんじゃね? うん、きっとそうだ。大丈夫なんだよ。
「大丈夫大丈夫!」
俺は気合いを入れながら、屋上の片っ端から外を眺めていった。
この方法がダメだったら、次の作戦を考えよう。
俺はそんな気持ちだった。
だが神は俺を見放さなかったようだ。
「アレは…!!」
校舎の影に隠れて一部しか見えないが、体育館らしきものの姿を俺の目は捉えた。
それが本物だろうと偽物だろうと、『今すぐ行く』という選択肢しか残されてないだろう。
そんな考えが巡る中、既に俺は無我夢中で駆け出していた。
「ハァッ…ハァッ…ハァ…」
着いた。体育館らしき…いや、体育館の玄関に。
先程の校舎からどれだけ走っただろうか。
高校にあるような体育館よりも一回り大きい体育館が、今、俺の目の前にそびえ立っている。
俺
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