第3話『入学試験』
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不安を抱いたまま、俺はエレベーターに乗り込んだ。
この学校は奇怪過ぎる、と思いながら。
中身が何ら普通と変わりないエレベーターを降りた俺は、一階なのであろう校舎の中の景色を見渡す。廊下も一緒にエレベーターで降りてきたのかと思う程、一階の廊下も長かった。
だが今度は二階と違い、外に繋がるドアを見つけた。
恐らく玄関だろう。見た目からして職員玄関か…?
まぁいい。早く外に出よう。
俺はドアを開け、外に逃げるように飛び出た。
「……わかんねぇな」
やはり知らない校舎に隔離されていたようだ。地形が全然記憶に無い。
先程、山本に案内された所であれば少しはわかったのだが…。これでは“学校案内”の意味が無いじゃないか。
俺はそう思いながら、歩みを進めた。
「どこかに地図とか無いのかよ…」
言ったところで変わらない、とわかっていながらも、つい口走ってしまう。だいたい、地図探す時間なんて無いな。
しらみつぶしに行ってみるのも有りなのだが、何せ敷地が広大過ぎる。そこら辺の学校とは比べ物にならない。
この規模で日本どころか、県ですら有名じゃないというのは不可思議な話だ。
お陰様で、体育館なんて影も見えない。
「あと何分だ?」
多分10分前後。まだ探す時間はある。
俺は思考を張り巡らせ、体育館への道筋を考えた。
まず、体育館は大きい。これは揺るがない事実のはずだ。
そして、外にある。これもわかる。
・・・で、何だ?!
まずい、これでは俺はこの学校に入学できない!
どうしたものか…。
俺は過去を思い返した。
『なぁ晴登、お前どこの中学校に行くんだ?』
『え?あぁ・・・近いから日城中学校かな』
『お! 俺も同じだよ! 仲良くやろうぜ!』
『あぁ、そうだな』
『2人共、何話してるの?』
『よう莉奈ちゃん。今、晴登とどこの中学校行くか話してたんだよ』
『へー。で、2人共どこに行くの?』
『俺も大地も日城中学校。お前は?』
『偶然だね。私もだよ。家から近いし』
『あ、でもよく考えたら、他の中学校が遠いだけかもしれない』
『でもウチの学校からの殆どは、その他の中学校に行くみたいだぞ』
『は!? あいつらだって日城の方が近いだろ?』
『晴登晴登、違うんだよ。日城中学校には変な噂が多いから、皆が寄り付かないんだよ。だから行くのは私達だけかもしれないよ』
『へぇ〜』
『「へぇ〜」って、納得すんのかよ』
『中学校なんて新しい友達作る場だろ? 問題ないよ』
『ポジティブなのは良いけどさ、晴登ってコミュ障じゃなか
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