ファーストミッション
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「ジャンゴさんの今の言葉、すごく懐かしくて……」
「懐かしい?」
「実は2年前、サバタさんにも同じ事を言われたんだ」
「サバタが?」
「『褒められる事をしたのだから褒められて当然だろう、素直に受け取っておけ』って。改めてサバタさんとジャンゴさんが兄弟だって、実感できたよ」
「……そっか」
意外な所で兄との繋がりを感じられ、ジャンゴはほんのりと嬉しい感情が湧きあがった。そのやり取りを後ろで見ていたマキナもまた、ジャンゴとサバタの血の繋がりを同様に感じていた。
「(でも………だからこそ重ねて見てしまう。“違う”って頭では理解してるのに、どうしても……)」
八神はやても一応は“見れる”のに、ジャンゴだけは唯一“見れていない”。そんな自分に嫌悪感を抱いたマキナは少し首を振る。
「(サバタ様を崇めているくせに、彼の弟をちゃんと見られないなんて……。いや、“弟”だと認識にフィルターをかけている時点でアレか……思った以上に最低だな、私)」
そうやってマキナは自嘲気味に笑うが、何の慰めにもならなかった。
その後、地上に出た一行はとりあえず近くの広場で適当に座り、ジョナサンからの連絡を待った。周囲は戦時中だが彼らの間では落ち着いた雰囲気の中、なのははふと疑問に思った事を口にする。
「あのさ、マキナちゃん。ちょっとだけ疑問があるんだ」
「疑問? さっきの依頼でなんか問題あった? フォローが必要なら言ってくれれば……」
「あ、いや、問題があった訳じゃないって。私自身、人の役に立てたのは嬉しいし、後悔もしてないよ。でもね、さっきの依頼だと管理外世界側の英雄度は稼げても、元々考えていた方の英雄度は稼げてないような気がするんだけど……」
「つまり管理局にとってある意味不利になることをした訳だから、管理世界側の英雄度がマイナスになってるかもしれない。そう考えた?」
「うん」
「ところが違うんだなぁ、これが」
「え、違うの?」
首を傾げるなのはに、マキナは自分の考えを説明し始める。
「私達がフェンサリルに来た目的は“秘密裏に運び込まれた核兵器の発見及び解体”。運び込んだのが実は管理局だという真相はともかく、これを成し遂げられたらなのはが大量破壊兵器によるカタストロフを阻止したと全次元世界が認知する。今は管理外世界側にしか通じなくても、メインをこなせば管理世界でも認知されるようになるんだ」
「半ば強引な解釈が入っているような気がするけど……そう上手く行くのかな?」
「自分達が所属する組織の印象が悪化するのは誰だって避ける。ましてや正義だ守護者だと自己主張の強い管理局となればなおさらね。英雄派は間違いなく噛んでくる……死んだはずのエースが核戦争阻止とい
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