ファーストミッション
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ると見込んで少し質問があるんだけど、もしラジエル以外の管理局の人間が目の前にいたらどうするつもり?」
「もちろん、即座にひっ捕らえて牢獄にぶち込むが……それが何か?」
「素朴な質問だよ、忘れて。それより私達はこれからフェンサリルでも活動するから、拠点となる家屋かどこかのマンションの部屋をあてがってくれるとありがたい」
「そうか、アウターヘブン社に協力を要請できるとなれば、もはや管理局なぞ恐れるに足らん。早急に手配をするゆえ、少しばかり時間をいただきたい」
「じゃあ私の端末へ通じるアドレスを渡すから、今後は依頼も含めてそっちに送ってほしい。依頼の受託や返事もそっちから送るんでよろしく」
「了解した。では失礼する!」
敬礼してジョナサンが走り去るのを見届けた後、アギトがなのはの口を解放する。そして今の会話で、なのははなぜアギトが慌てて自分の口を押さえたのか理解できた。
「この国はラジエルの人間でもない限り、管理局員は牢屋入りなんだね……」
「ウルズにとって今の管理局は実質敵国だから当然さ。むしろ殺さないだけマシな方だよ、あの近衛隊長さんは。とにかくここだと“管理局に所属している=プリズン送り”を意味するから、ゴタゴタが片付くまで本来の所属を絶対に明かしてはならないよ。自分から鉄格子の中に入りたいなら別に止めないけど、せめて最低限私達に迷惑がかからないようにしてね」
「いやいや、私だって牢屋なんかに入りたくないよ! ……でも、黙ってなきゃいけないってことはよくわかったよ」
「ん? じゃあ暫定的に僕達はアウターヘブン社所属って扱いになるのか……」
「あくまで一時的な措置だし、ジャンゴも余計な心配しなくても全然問題ねぇよ。むしろマザーベースからの物資支援に社員割引が働くし、財布の中身的にも好都合だぞ」
「財布……」
ジャンゴとおてんこが気まずそうに視線をそらし、何か察したアギトがジト目で彼らを見つめる。マキナもアギトから念話でジャンゴがお金の管理が下手だということを聞き、やれやれと言いたげにため息をつく。
「……家計簿のノートも後で買っておこう……」
本人は面倒に思っているが、実は世紀末世界でもシャロンがホームの家計簿をつけていたため、奇しくも彼女と同じことをマキナもやることになったのであった。
地上に戻る途中、水を復活させたことでなのは達はウルズの人達から称賛の声を浴びた。大勢の人から目の前で感謝の言葉を送られたなのはは照れてつい赤面する。
「いきなり大人気だね」
「あぅ〜……こんなに褒められると恥ずかしいよぉ……」
「でも褒められる事をしたんなら褒められるべきだし、素直に受け取ろうよ」
「あ……」
「どうした? 急にハッとして……」
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