ファーストミッション
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を伝える。
「ごめんごめん、別にイヤらしい意味で言ったんじゃない。私としてはネイキッドの意味を全部ひっくるめて言ったつもりなんだ」
「意味を……全部?」
「なのはは本来あったはずの左腕、立場、安全、居場所、味方、名声、武器、魔法、後ろ盾などを文字通り全部失った。まさに丸裸とも言い表せる状況から、友を守るという飾り気の無い純粋な想いを胸にそれらを取り戻していく。だからネイキッドエースという名前は、今のなのはに適任だと思ったんだけど……さっきはからかってごめんね」
「マキナちゃん……」
「まぁ……本気で嫌なら受け入れなくてもいいよ。この称号がちょっと変なのは理解してるし……」
「ううん、意味を知った今なら結構良いと思ってるよ。……ネイキッドエース、確かに今の私にぴったりだ。ありがたく拝借させてもらうね、マキナちゃん」
余計な飾り付けが無い“称号”に、なのはは欺瞞に満ちた“称号”よりもはるかに聞き心地の良さを感じていた。別に裸になりたい訳じゃないけどね、と内心で補足しているが。
「じゃあ話を戻すけど、私もジャンゴさんのアイデアは賛成。私の力が誰かの助けになるなら、ぜひ協力するよ!」
「ありがとう。引き受けてくれるんなら、やる事は決まったね」
ちょっとしたやり取りはあったものの、純粋な人助けとなるこの“依頼”をなのはは承諾。吹き出る水に巻き込まれないように、マキナやジャンゴ達は兵士や街の人達に瓦礫から離れるように伝える。そして瓦礫の周囲から退避し終わった所で、ジャンゴとマキナが貯水槽の上に飛行魔法で浮かぶなのはに声をかける。
「退避完了、いつでもいいよ!」
「フェンサリルで、そして復活したなのはの記念すべきファーストミッションだ。思いっ切りやっちゃって! あ、でも貯水槽まで壊さないように加減はしてよ?」
「言われなくてもわかってるよ、もう! ……さて……一点集中! ディバインバスター!!」
直後、義手からピンク色の砲撃が放たれ、瓦礫の中心に直撃。ドリルで掘削していくかの如く、水源を塞いでいる瓦礫を木端微塵に砕いていく。周囲の者達が固唾を飲んで見守る中、砲撃はついに貯水槽の底までたどり着く。なおも砲撃の威力は衰えないまま、光の柱は水源の中心へと突き進んでいき、次の瞬間……、
爆発じみた音を立てて、水源から凄まじい水柱が上がる。刹那、ウルズの人達から一斉に歓声が上がった。自分達の命綱とも言える水がこうして2週間ぶりに復活したのだから、その喜びようは凄まじかった。
「水だぁー! 俺達、助かったんだぁー!!」
「おぉ……! この恵みをもう一度味わえるとは……!!」
「ありがとう……! これでおふくろや家族の喉の渇きを癒せる!
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