ファーストミッション
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たマキナは、もう少し状況を詳しく知るために巡回していたウルズ兵士に話を聞いた。最初は訝しげに思った兵士達だが、マキナがアウターヘブン社の社員証を見せると彼らを率いていた隊長は会社の評判を知っていたためすぐに態度を改め、友好的に対応してくれた。
「俺はジョナサン、ウルズの近衛隊長だ。話は俺が担当しよう」
「アウターヘブン社所属、マキナ・ソレノイド。それで状況は?」
「実は2週間前に敵魔導師工作員によって貯水槽の岩盤を破壊され、その瓦礫で水源の穴が塞がれてしまった。異変に気付いた時は既に工作員は国外へ逃亡してしまっていたため、今は水の問題を最優先で解決するべく、街の者や兵士総員で瓦礫の撤去を行っている」
ジョナサンの言う通り、水源に通じている貯水槽の中心部は完全に瓦礫で覆われており、多くの人達が瓦礫をどかそうと働いているが、あまり芳しい成果はあげられていなかった。
「様子を見る限り、まだ解決できてないみたいだね」
「残念ながらな。瓦礫を撤去しようにも爆発物はほとんど前線の方に送られていて、ここに残ってたものだけではわずかに吹き飛ばすのが関の山だった。しかもここは地下で入り口は狭い。だからショベルカーなどの重機を持ってくることは不可能で、どうしてもその後は人力で掘り進めていくしかなかった」
「なるほど、ところでビーティーはここにいないの? 彼女の力があれば、すぐにでも瓦礫をどかせると思うけど?」
「それは無理だ。呼び戻そうにも彼女を含む本隊が敵の奇襲で孤立してしまったせいで戻って来られないのだ。更に他の部隊も各地で交戦中のため、状況が落ち着くまでは戻れそうにない」
「戦況が切羽詰まっている所に工作員が貯水槽を破壊し、事態を解決できる能力を持つ者は包囲で足止めか……これは明らかに兵糧戦を仕掛けられているね。結構えげつないやり方だ……」
「それがわかっているからこそ我々も全力で事態の打破を目指しているのだが、なにぶん瓦礫の撤去すらままならないほど力不足で悔しく思っている。首都を守らなければならない義務もあるから、本隊の援護に向かう事も出来ない……まさに八方ふさがりだ」
「ん〜端的に見れば、今は火力があれば何とかなりそう?」
「恐らくは。ここの貯水槽は修復が必要だが、緊急用の貯水槽が近くにあるから水源さえ確保できればそちらに水を保管しておける。だから瓦礫さえ破壊してくれれば、後は我々で何とかできる」
「事情はわかった。ちょっと仲間と相談してくる」
「了解した」
ジョナサンとの話を切ったマキナは、傍で聞いていたジャンゴ達の方に向き合う。工作員だった魔導師の正体や所属はなんとなく想像はついていたが、それは置いておいて、彼らもこの事態を解決したいという考えは同じだった。
「どうやら
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