ファーストミッション
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いるからかもしれないな」
それらの話を聞いて、ジャンゴとなのはは街の様子を調べることを提案し、もし問題が起きているのであれば事態の解決に協力したいと述べる。拒否する理由も無いため、マキナ達もその案を承諾する。
「人が集まってるならビーティーもそこに居るかもしれないし、いないならいないで彼女の行方を聞けそうだ」
「よし、じゃあ地下水脈に行ってみよう」
という訳でマキナとアギトが道案内を担当し、街の大人が集まっていると考えて人の気配が強い場所へと向かう。地下水脈への入り口は街の中央区にある水道施設にあり、ひっきりなしに大人が出入りしていることで扉は開きっ放しだった。おかげで何の問題もなく地下に入り込めたジャンゴ達は、長い螺旋階段を降りた先にある補強された洞窟の通路を進む。
「まさかクラーケンがいたりはしないか……」
「突然、何の話?」
「実はサン・ミゲルの地下水道で、そういうイモータルと戦った事があってね。今回も同じような敵がいるんじゃないかって、ちょっと懸念してるんだ」
「あ〜なるほど。サバタ様の過去話にも似たような状況があったけど、そう考えたら世紀末世界では地下にイカがいるのがお約束なのかもしれないね」
「嫌だなぁ、そんなお約束……」
「心配せずとも、この街全体からはダークマターの気配は一切感じられない。アンデッドやイモータルが原因ではない事は確かだ」
「そうなんだ、とりあえず吸血変異が起きる心配はしなくて良いみたい」
「街のど真ん中でパンデミックが起きれば、それだけで大惨事だもんな……」
しみじみと呟いたアギトの言葉の内容を想像して、ジャンゴは一瞬身震いした。アンデッドを倒してきた数だけ見れば凄まじいし、その分襲われそうになった人を救ってきた。しかしアンデッドが元は人間である以上、言い換えればそれだけ人を倒したのと同義になる。ゆえにジャンゴは……自分の手が多くの血で真っ赤に染まっていると自覚している。少なくとも、母、父、兄、そして……元人間のイモータル達……その者達の血は心に永遠にこびりつく血痕となっていた。
少し暗い気分になったジャンゴとマキナ達は、ブレイダブリクの人達が集まって何かをしている場所へ到着した。そこは地下にある巨大なダムとも表現すべき広大な貯水槽で、次元航行艦の十隻は簡単に入れるぐらいのスペースがあった。本来ならそれに匹敵した大量の水が保管されているはずなのだが、今はどういう訳か水が完全に無くなっていた。
「ふ〜ん、そういうことか……。これはかなりの緊急事態ってわけだ」
水が無いと人間は生きられない。なのに貯水槽の水が枯渇してるということは、この国はまさに飢餓寸前の状態であることを意味する。国家存亡の危機に瀕している現状を知っ
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