第九十九話
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うことは考えられない。神殿のように装飾された壁を眺めながら、二人はそれぞれ探索に入っていく。厳かな雰囲気を感じさせる場所だけにやけに広く、二人だけでは調べきれないほどだった。
「レ、レイン! こっち!」
この装飾いくらかな、などと考えていたレインに、曲がり角を別れていったユウキの声が響く。急いでユウキの元へ向かおうと、つい先程別れた曲がり角を曲がると――
「他のみんな、大丈夫かしら……」
そして正規のルートでたどり着くことが出来た、トンキーに最後まで乗っていたパーティー。キリトにアスナ、リーファにレコン、リズにタルケン、俺の七人だ。本当にこのアルヴヘイムが崩壊する危険性を孕んでいるとして、ユイのナビゲーションに従って最短路を突き進んでいた。少しズルい気もしていたが、今はそんなことを言っている暇ではない。
「……心配するのは、俺たちの身が先みたいだな」
だが正規のルートかつ最短路ということは、エクスキャリバーまで一番早く着く、という意味の他に――最も敵と遭遇しやすいという場所でもあった。広い部屋にたどり着いたかと思えば、そこにいたのは二種類のミノタウロス。巨人の身の丈ほどの斧を持った、金色と黒色をしたソレは、まるで俺たちから次の部屋を守らんとしているようだった。
以前にキリトたちが訪れた際にいたという、巨大なサイクロプスは何故か今回に限っては不在で――ユイ曰く『反応はある』らしいので、恐らく無事であろう他のメンバーのところに向かったか――楽が出来るかと思いきや、今回はそういう訳にはいかないようだ。
「パパ。あのドア、ロックがかかっているみたいです」
「なら……さっさと片付ける!」
ロック――つまりあの扉を開けるには、あの金黒のミノタウロスを倒さねばならない、ということらしく。そんなユイのアドバイスに対して、我らがパーティーリーダーは単純明快な解決方法を即断即決した。こちらに向かってくる金黒ミノタウロスに対して、まずは俺とキリトが前に出た。
「ショウキ、頼む!」
「ああ、よろしく」
このメンバーで前衛をこなせるのは俺とキリト、次いでリーファだろう。特に示し合わせる訳でもなく、悲しい男のプライドか前に出る二人が接敵する前に、アスナが放った魔法が突進してくるミノタウロスを襲う。
それは足元を突如として凍らせる柱。金黒ミノタウロスの足を凍らせ、その突進をキャンセルするべく襲いかかり、どちらも目論見通りに転ばせる――が、黒い方はすぐさま立ち上がり、再びこちらに向かって突進してきた。
「みんな、バラけろ!」
前に出たはいいが止められない。そう確信したキリトは、入口に団子になっていたメンバーに指示を出すと、メンバーは各々の判断でバラバラに逃げていく。黒い
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