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雲は遠くて
106章 落合裕子のバンド活動休止と誕生パーティー
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クリエーションでアーティスト活動を始めていた。

 落合裕子は、1993年3月7日生まれ、もうすぐに23歳。
エタナールの芸能事務所のクリエーションの、
新人オーディションに、最高得点で合格した才女だ。
現在、裕子は事務所を移籍して、
祖父(そふ)の落合裕太郎の芸能プロダクション、トップに所属している。

 美結と裕子は、2年ほど前から、クリエーションの同期でもあって、無二の親友であった。 

「さーて。裕子ちゃん、お誕生日、おめでとうございます!」

 純が、そう言った。

「裕子ちゃん、ハッピー・バースデー!」

 信也が、そう言った。

 信也と純と美結の3人で、クラッカーの(ひも)をひっぱり、打ち上げた。

 パンッという音と共に、赤や白や青のカラフルな花吹雪(はなふぶき)が空中に()った。

 満面の笑顔で店のスタッフが、メッセージと裕子のかわいらしい似顔絵付()きの、
イチゴと生クリームが盛りだくさんの、バースデー・ケーキをもって部屋に入って来た。

「わーっ、(うれ)しいわ。ありがとう!純ちゃん、しんちゃん、美結ちゃん」

 裕子は、思いもしなかった祝福に、(ひとみ)(うる)ませて、(よろこ)んだ。

≪つづく≫ --- 106章 おわり ---

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