106章 落合裕子のバンド活動休止と誕生パーティー
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あっははは!」
「しんちゃんの言うとおりだよ、あっははは。
おれも、社長や会社のみんなも、今回の事件は、他人事じゃないって、
いろいろと反省もしているんだよ。あっははは。
ま、今宵は、みなさんが、お疲れのところをお集まりいただいたのですから、
その話は、止めときましょう、しんちゃん。
おれたちが、善かれと思って、日々の仕事をしていても、
それを心よく思っていない人もいるってこともあるのかね。
人間なんて、ちょっと勉強して、教養を高めて、優秀を気取ったところで、
自己中心とか、自分の欲望とかが無くなって、無私の精神になるってもんじゃないんだから。
思いあがらずに、注意していくことも大切ってことなんだろうね。
今回の愉快犯では、つくづくそう思ったよ、しんちゃん!あっははは」
「まったくだよね、完全な人間なんていないんだ、純ちゃん。あっははは」
「ところで、裕子ちゃん。クラッシュビートのキーボードを、
お休みしたいというお話を、しんちゃんから聞いたんですけど・・・」
純は、テーブルの向かいに座る落合裕子に、そう語りかけた。
「そうなんです。わたしの個人的なわがままなんですけど、お休みさせてもらいたいんです」
「裕子ちゃんのキーボードは、ロックンロールやブルースの難しいリズムにも、
バッチリと最高のノリで、おれとしては、いつも、とても感動していたんですけどね・・・。
しょうがないですよね。わかりました。また、いつでも、おれたちとやりましょうよ。
約1年間でしたよね。いろいろとありがとうございました!」
「純さん、温かなお言葉を、ありがとうございます!また、ご一緒に、
クラッシュビートで演奏することを、わたしも楽しみにしています!」
「よかったわね、裕子ちゃん。またクラッシュビートで演奏したくなったら、
いつでも、純ちゃんも、しんちゃんも、ほかのメンバーも、大歓迎よ!」
そう言って、川口美結は隣の落合裕子に優しい眼差しで微笑む(ほほえ)。
・・・きっと、しんちゃんと裕子ちゃんには、何かあったんだわ。
きっと、しんちゃんに夢中の裕子ちゃんのことだから、何かが。
裕子ちゃんは、きっと、感極まって、頬に涙とかで。
お兄ちゃんは、女性の涙に弱いからなぁ。
そんなことで、何かあったから、裕子ちゃんもクラッシュビートのキーボードも、
お休みすることになったんだわ、きっと・・・
美結は、隣にいる裕子の、きれいで整った横顔をちらっと見ながら、そう思った。
川口美結は、1993年4月16日生まれ、22歳。
2014年の5月から、新井竜太郎が副社長をするエタナール傘下の、
芸能事務所の
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