ブルボン 〜小さいおじさんシリーズ1
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だけ動かす。
「あやつは散らかるなんてレベルじゃない。買い物袋に芋や玉ねぎと共に入れ、ちょっとでも衝撃を与えると途端に木っ端微塵だ…云わば!散らかる宿命の菓子!!」
何か嫌なことでも思い出したのか、端正は眉間の間を押さえて肩を震わせた。
「俺はあの菓子を食す際はいつも、敷き紙を欠かせぬ…許せんのだ、あのとっ散らかりっぷりが許せんのだ!!」
端正大爆発。こいつは結構、神経質だ。そして軽くキレキャラでもある。ていうか何だ推し菓子って。変な造語出てきたぞ。
「ルーベラとて例外ではない!ルマンドよりは衝撃耐性は高いようだがやはり散らかる…そして!1包に2本も入っている!」
「あぁ、3本入っていれば切らずに配分できるものをなぁ」
「ちがーう!!多いんだよ2本は!!あれが茶菓子で出てきた日は、俺は腹いっぱいで気分が悪くなるのだ!!」
…まぁ、30センチだからな。俺の感覚で云えばクッキー一缶食わされるようなもんだろうか。…てことはこいつは、エリーゼもアウトか。難儀なおじさんだ。…豪勢は可々と笑った。
「なにを!旨いものたらふく食えて幸せ一杯じゃないか」
「色々雑なのだ卿は!そんな食生活をしていたから変な死に方をするのだ!!」
「貴様にだけは言われたくない!!」
なに、死んでいるのか!?霊の類か!?でも茶菓子は食ってるしなぁ…。なんかもう仕事が手につかない。
「死に様で云えば貴様…そいつに散々茶化されて怒りの余り傷が破れて憤死とか、うちの国でも評判の怪死案件だったわ」
豪勢に『そいつ』の辺りで指差された白頭巾は、あれ心外な、とか呟きながら口元を羽扇で隠した。
「何を!一時的にとはいえそいつと同じ職場で働かされた俺の重圧が卿に分かるか!?」
「そいつの口車にまんまと乗せられてデカい戦に首突っ込んだ貴様の自業自得であろう?」
―――えらい嫌われようだな、白頭巾。なんでこいつら、つるんでるんだろう。
「け…卿があんな微妙な時期にあんな詩を吟じて公表するのが悪いだろう」
「またそれか…余は銅雀台賦の東西に連なる二橋、と詠ったのだ!貴様と貴様のボスの嫁をかっさらうなんて云った覚えは毛頭ないわ」
豪勢は半ばうんざりしたような顔で、腰に提げた璧を弄り始めた。このやりとりは初めてではないらしい。白頭巾は涼しい顔で我関せずを決め込んでいる。…どうやらこいつが全ての元凶っぽいのだが。
「…茶菓子選びに関係のない御話が始まったことですし、茶を淹れますね、茶菓子はルマンドで」
「黙れ元凶!!!」「やかましいわ諸悪の根源!!!」
やっぱりか。
「諸悪の根源、ねぇ…うふふふ、本当に、本当に、あてこすりは無かった、と断言できるので?二橋、と二喬。出来すぎな気がしてしまうのは、私の心が穢れているから、ですかねぇ…うふふふ」
「こ、こらなぜ貴様はいち
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