Side Story
少女怪盗と仮面の神父 2
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士の距離、正面以外の出入り口の有無、祭壇までの歩数、女神像の周囲の構造、置かれた花の種類……礼拝堂内のあらゆる物が、シャムロックにとっての有益な情報になる。ステンドグラスの色彩配置まで事細かに脳へ刻み付け、最後に女神像を確認した。
赤子を抱える姿勢で右腕に百合の束を抱く女神アリア。左手は浮き気味で、花弁の先に人差し指が軽く触れている。逆光で判り難いが、緩い袖から覗く手首に細い物が絡まって見えた。
(……あれか。遠近感を考えると、相当長い鎖を使ってるわね。重さも頭に入れとかなきゃ、脱出する時に足を引っ張られそう)
祭壇の手前で両手を組み、祈る振りで周りを窺いながら、様々な実行手段と侵入・逃走経路を思索する。
だが、情報はまだ足りない。
怪盗は夜に動く。此処には夜の暗闇が足りてない。
今はまだ、下見の下見段階だ。
(念の為、崖の高さと教会の裏側も確かめとかなきゃ……)
頭の中で予定と計画を編み出したミートリッテは、背後の集団から彼女をじっと見つめる何者かが居る事に、全く気付いていなかった。
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