暁 〜小説投稿サイト〜
とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第10話 眼
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
からはナイフによる殺傷によりポタポタと結構な出血をしていた。
「あー、いたいた……」
サソリの後ろから何か糸で引っ張り回されているコンクリートブロックが数個ほどサソリの後ろをついて来ている。
白井は予期せぬ人物に声を上げた
「さ、サソリ!!」
サソリは引っ張ってきたコンクリートブロックを足元へと並べると白井と不良男を見据えた。
「さて、少し白井から離れてもらうかな」
不敵な笑みを浮かべるサソリに一瞬沈黙が降りた。
いるはずのない人物。
動きようのない人物。
その二つが交錯するサソリの存在に場の雰囲気は一変した。
「あなた!何してますの?早く逃げなさい」
「そんなこと出来るか」

せっかくの時空間忍術を使うレア素材を諦めて帰るなんざ性に合わん!

え!?なぜ、逃げませんの?
このままでは……

本来、サソリの戦闘スタイルは巧妙に張り巡らした罠や武器を駆使することに特化した戦闘である。
傀儡もない、クナイのような武器もない。あるのは、この身体と指先から出せるチャクラ糸だけだった。

サソリは手ごろな大きさのコンクリート片を手に持つと、ポンポンと指先の感覚を確かめるように上に軽く上に投げ、キャッチする。
「俺が近づいたら、どうなるんだ」
ニタニタと笑いながら、サソリの動向を観察。
「単純にオレが作った罠が発動する。まあ、百聞は一見に如かずだな」
サソリは手に持っていたコンクリート片を思いっきり投げつけた。
「へえ、そんな石ころが当たるかよ」
既にトリックアートの能力を使い、間違った方向に投げたと確信した。
「け、その先は女だぜ」
「それはどうかな」
白井に当たる前にコンクリート片は何かに吸い寄せられるように曲がりだして、男の腹へと当たった。
「ぐ!?」
サソリは先ほどの戦闘でクモの巣のように張り巡らしたチャクラ糸が偏光能力(トリックアート)を使う不良にびっしりとくっついており、チャクラ感知と糸を伸縮させることで瓦礫片を当てた。
「よし!思った通りだ」
サソリは手を少し前に出すとユラユラと指先を不規則に動かす。
それに反応するようにコンクリートブロックは宙に浮きだして、狙いを定めるようにサソリの指と連動して上下左右に微震をしている。
「さてと、複数個の攻撃だとどうなるかな……」
サソリが、腕を一瞬だけ引くと指先を少し丸めたままで軽く突き出した。
一斉にコンクリートブロックがレール移動をするように不良の男の身体へと巻き取られていく。
どんなに能力の幅を強くしようが、誤った場所に焦点を結ぼうが、攻撃している本人の視覚からズレようが関係ない、糸は対象と対象を物理的に繋いで、あるべき点へと収束するだけだ。
どんなに逃げても身体を反らしてもコンクリートブロックは追尾するように不良男の顔や脇腹、肩
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ