2部分:第二章
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第二章
「日本軍ってあちこちで虐殺やって慰安婦と昼も夜も遊んで破壊と略奪の限りを尽くしてそれで強制連行八百四十万人なんだよな」
「ああ、何時戦争してたんだ?」
「一日五分位しかしてないんじゃないのか?」
一日の時間は決まっている。そこまで色々やって実際に戦争できるのかどうかという疑問をネタとして考えていくようになったのだ。その辺りのいささか悪意もあるユーモアに満ちているのがこのサイトに書き込まれる話の特徴の一つでもある。今回もそうであった。
「それであそこまで戦えたのか、ご先祖様って凄いよな」
「ああ、日本軍って凄かったんだな」
「自衛隊で強制連行八百四十万人ってできないよな」
「絶対に無理だろ」
「今の日本でもどれだけ国力使うか」
考えれば考える、それもネタとして考えていくとだ。次第にであった。
その強制連行八百四十万人、どう考えても嘘だの捏造だのいう話でしかないその実績がだ。日本軍の果した業績として考えられていくようになった。
そうしてだ。書き込みはこうなっていった。
「日本軍凄いよ」
「ああ、日本の偉業だよ」
「御先祖様凄いよ」
「俺達も頑張らないとな」
最後は日本軍、果たして人間かどうかすら怪しい、最早巨人兵かサイヤ人、アストロ超人の如き存在になってしまった彼等への賛辞になりだ。遂には。
「このスレは日本軍の偉業を讃えるスレになりました」
この書き込みが書かれた。結局あの何かよくわからない国の女の言葉はこうした結論になってしまった。彼女が意図したのとはだ、全く違う方向に結論が出てしまったのである。滑稽なことに。
強制連行 完
2011・4・3
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