40.オープン・コンバット
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「うはぁぁーーッ!!面白れぇ面白れぇ!!ピンボールみてぇに弾け飛びやがった!しかし今のは自壊してもおかしくない衝撃だった筈だが……これは耐久力だけの話じゃねぇなぁ!いいぜいいぜいいぜ!この大魔導師様の知的好奇心が刺激されるぅッ!!」
首元からネックレスをぶら下げた男は手に『魔導書』らしき物を握り、そのページをなぞると同時に周囲に無数の光の球が出現する。一つは炎を、一つは氷を、一つは雷を――全ての光球が違う属性を携えて男に追従する。
そこには、ベルの初めて目撃する『魔法使い』がいた。
「解析開始だ!!踊り狂え、実験対象共ッ!!アヒャヒャヒャヒャヒャヒャアアーーーッ!!」
尖った耳、浅黒い肌、狂気と恍惚の入り混じる歪んだ愉悦の表情。知的なイメージのあったエルフという種族とも、派手な攻撃をする煌びやかな魔法というイメージとも結びついてはいる。それでも、あれは何となく、『エルフとは違う気がする』。
最初に感じた本能的な忌避感は気のせいではなかった。ベルの本能のようなものが全身を振るわせるほどの警鐘を打ち鳴らす。本能的に、ベルは息を――気配までも殺してその男を凝視した。
(何だろう、この感覚……心の奥底が根拠も無しに叫んでる。自分でもおかしいって理解している筈なのに、それでも尚、僕はこのイメージが正しい物だと確信している)
この男は――『敵』だ。
戦おうと感じた訳ではない。ただ、本能的にその感覚だけは確信した。
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