40.オープン・コンバット
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アイテム作りも出来るんだ……ンなこと出来るなら剣振ってないでとっとと転職すればいいのに」
「言うて聞く人やあらしまへん。よう知っとる癖に……」
くすくすと笑う浄蓮に、ティオナはどこか不満そうな顔で改めて大双刃を振り回す。会話の間に突撃してきた複数の鎧が紙切れのように吹き飛んだ。がしゃがしゃと喧しい音を立てて鎧が弾き飛ばされてる鎧に怯む様子は見られない。
「なんや、えらい様子のおかしな兵隊さんたちやねぇ?動きは早いけど立ち回りがど素人や……いや、そもそもこいつらホンマに生きとるんやろな……?」
「あ、浄蓮も思った?なーんか、意志は感じられるんだけど中身がないっていうか……やたら丈夫なのも気になるんだけど、中に人が入ってるにしては重さが感じられないんだよね?」
あれだけの威力で吹き飛ばされたら普通は鎧の中にも凄まじい衝撃が奔る筈なのだが、吹き飛ばされた鎧達はあっさりと立ち上がってまたこちらへ向かってくる。
「………確かめて見よか」
浄蓮は手を振り、自慢の糸を鎧の頭部に侵入させる。――通常なら顔面に糸が刺さるが、手応えが丸でない。まさか、と思い糸を頭部に巻き付けて力いっぱいに引き寄せると、パカン、と軽快な音を立てて鎧の頭部が外れた。
「やっぱり、この敵……中身がカラッポやわ」
「うげっ、頭がないのにうごうごしてて気持ち悪っ!?何アレ、オバケ!?」
「かもしれへんね。見てみぃ、頭が外れとんのに平気で動き回っとるわ」
頭を失って一度は転倒した鎧も、本来曲がらない筈の方向に関節を曲げながら体勢を立て直して四足歩行で二人に迫ってくる。
『ぼぼぼぼぼボクボクボク僕を侮辱する言動は死刑、死刑、私刑、しけぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!』
「うっさい気色悪いこっちくんなオバケ鎧っ!!」
ティオナのフルスイングであっさり吹き飛ばされた鎧だが、やはり壊れない。
馬鹿力が自慢のアマゾネスの中でもレベル5という高みにいるティオナは、純粋な筋力だけならばレベル6に匹敵する。ここまで来ると並大抵の『硬い敵』は一撃で粉々にされてもおかしくないにも拘らず、鎧の軍団は止まる様子も見せない。
今までに戦ったことがない、全く異質な敵。これまで戦争紛いの争いも経験したことがあるティオナには、無機物である鎧がひとりでに動いて襲ってくるという浮世離れした現状が理解できない。
彼女には彼女が自分の人生で積み上げた戦闘経験と常識がある。中身のない鎧が動くわけがない……それがティオナの世界観だ。その世界観を冒す未知の存在に、僅かながらティオナが弱腰になる。
敗北する要素はないのに、勝利条件が分からない。
「どうしよう浄蓮……こいつら弱いくせに全然壊れないよ!?ほら、大双刃の先っちょが欠けてる!!これ滅茶苦
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