40.オープン・コンバット
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叫び声だった。
「どっせぇぇ〜〜〜いッ!!」
瞬間、男性の頭頂部を掠めるように特大の刃が飛来して、鎧のどてっ腹を吹き飛ばした。
『アガぺぇッ!?』
「うっ……何この感触?妙に軽くて、なのに硬い。何だろう、アイズの剣と手ごたえが似てるような?」
「傷一つついてまへんなぁ……えらい頑丈ですわぁ」
最初に戦場に辿り着いたのは、所属の違う二人の冒険者だった。
「ろ、ロキ・ファミリアのレベル5、『大切断』が何でここに……!!」
「(どことは言わないが)小さい方!」
「(どことは言わないが)小さい方だ!」
「(どことは言わないが)小さい方が来た!」
「鎧より先にアンタ達をぶちのめしてあげようかなぁぁ〜〜〜!?」
こめかみを痙攣させながら『大双刃』を構えるリュヒテ姉妹の(何かが)小さい方、ティオナ。母親の腹の中で姉に色んなものを持って行かれた双子の妹の怒りが爆発しそうになるが、ここはグッと堪える。流石に人の命が懸かっている時に所構わず暴れる訳にはいかなかった。
そしてその隣に並ぶ、日除けの和傘を差した着物の美女にも視線が注がれた。
もう必要ないと言わんばかりに後ろへ和傘を投げ飛ばした冒険者の姿が太陽の光に晒される。
「『上臈蜘蛛』……!その美しさで蜘蛛の魔物を魅了したオシラガミ・ファミリアのレベル4まで……!!」
「あの鎖骨がエロいな」
「いいや、うなじがエロいね」
「逆にエロくない所がなくね?」
「「それだ!!」」
「こらこら……女子に『せくはら』はあかんで?」
しゅるん、と彼女の腕が音を立てた瞬間セクハラ三人衆の前髪がパラパラと落ち、命の危機を感じた彼等はダッシュで逃走した。見事に蜘蛛の子を散らした浄蓮はティオナに上品な微笑みを向ける。
「さて、お邪魔な野次馬がおらんくなったところで、悪人退治といきましょか?」
「ナイス浄蓮!!スゴいね、今のって糸で斬ったの?」
「そういや手の内明かしたんは今日がお初やったですか?館でよう顔合わせとるからウッカリしとったわ。そう、ああしの武器はこれやで?」
もしもティオナがレベル5の冒険者でなかったら、糸を肉眼で確認することも難しかったろう。琴爪のように尖った特殊な籠手の指先から伸びた白い糸が空を切り裂き、接近していた複数の鎧に迫った。ギャリリリリッ!!と火花を立ててぶつかった糸の斬撃に、鎧が複数吹き飛ばされる。
またもや鎧には傷一つつかないが、この斬撃を受ければ下手な金属では輪切りにされるほどの力が籠っている。この糸を用いた戦い方も、また彼女が『上臈蜘蛛』と呼ばれる所以の一つだった。
「ウフフ……この糸はふー坊やとおーねすと殿の合作やから千切れへんでぇ?」
「あいつ
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