38.悪霊の軍団
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―!!』
瞬間――自分の意識がどこか遠くへ旅立つのを自覚する。
「後は頼んだぞ――『複製された』僕」
『確かに任されたぞ――オリジナルの僕』
直後――アルガード・ブロッケの身体は椅子から崩れ落ちて目を閉じた。
= =
それは、一瞬の判断だった。
ブラスは情報を収集したうえでパラベラムが十分遠ざかったことを確認し、扉を吹き飛ばそうとした。だが、彼の詠唱が耳に入った瞬間、周囲に異変が起きた。
ぎちぎちと金属が擦れ合う音、がちがちと金属同士がぶつかる音。
廊下に響き渡る無数の異音が二人を取り囲む。
「え……ち、ちょっと何ッスかこの音?」
「………ルスケ、鎧から離れろ」
「鎧から………って、まさかこの音鎧の中から――?」
しかし、言われてみればこの周辺で音の鳴りそうなものなど鎧しかない。恐る恐る横の鎧に目をやった瞬間、ルスケは見てしまった。
鎧の兜の隙間からこちらを覗く、鬼火のような灯を。
「ヒッ!?な、何ッスかこいつ!?中に何かいるッ!!」
「違う、中には何もいない……そうか、ネックレスと同じ原理で自分の魂を……まずいっ」
その瞬間、ルスケの視界に突然工房の天井と後ろに吹き飛ぶような浮遊感が襲う。遅れて自分の足が浮いている事に気付き、やがて何が起きているのかを理解する。これは恐らく、ブラスに力づくで襟首を引っ張られているのだ。その証拠に……ものすごく、喉が絞まる。
「ぐええええええええッ!?死ぬ死ぬ死ぬ死ぬぅぅぅぅッ!?う゛ぉろじでぇぇぇぇぇッ!?」
「我慢しろ!あの場にいたら鎧共に刺し殺されるぞッ!!」
直後――廊下にあった数十にも及ぶ鎧たちが一斉に動き出した。
『あいつを殺す。あいつを殺す。あいつを殺頃比ころころころころろろろろろろ………』
『ピオぉ!ウィリスぅ!僕を置いてかないでよぉ!僕をねぇ?僕?僕は僕を僕の僕が僕はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!』
『計画成就の為に時間は無駄に出来ない!無駄は美しくない!無駄は殺す!無駄は排除!排除排除ぉ!!肉体も排除ぉ!!』
『r2「yqjy8xjk6bb¥kっじr2「yqjy8xjk6bb¥kっじr2「yqjy8xjk6bb¥kっじr2「yqjy8xjk6bb¥kっじ』
『これが僕……僕の新しいからだぁ!!ああ、あはははははは!!素晴らしい、この身体なら僕を馬鹿にして来た愚昧な連中を皆殺しに出来る!!偉いのは僕正しいのは僕この世界の支配者は僕ぅッ!!』
どうにか距離を離したところで半ば強引に着地させられたルスケは、そのまま先導するブラスを追いかけるままに必死で走る。
「なんなんあなななななな何なんですかあいつらぁ!完っ全に狂ってんじゃ
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