32.流動情報
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な胡散臭いものを……」と顔を顰めていたのを覚えている。ファミリア内では確かロキとフィンもざっと目を通す程度には見ていた。
「で、ここと『新聞連合』と何のかかわりが?」
「ここはその『新聞組合』の発行元……本部だ」
「マジッスか!?『新聞連合』って意外と贅沢な職場持ってるんスねぇ……そうそう儲かっているようには見えないんスけど」
「建物自体は既存の物だ。元はギルドから受注された手配書や情報公開文章を大量に印刷する公営施設だったが、ここ数年で印刷機が小型化したせいで大きな印刷所を抱えるメリットがなくなったから売りに出されたのを、当時無名だった『新聞組合』が丸ごと買い取ったのさ」
「ほえー………ここも元はギルドの職場だったんッスねぇ」
「言われてみればギルドの作りとよく似てますね。建築したファミリアが一緒だから似てたんだ……」
そこそこ年季の入った建物だと思っていたが、そこがまさか自分の昔の先輩が務めていた場所だとは思わなかったのか、ルスケは感心したように周囲を見回す。今でこそ『新聞連合』の持ち込んだ物があちこちに設置されているが、確かに基本的なつくりはギルドのそれと同じだ。
「『新聞連合』のこれからの活動内容を考えれば、この施設は必要なものが全部揃っている理想的な建物だ。何より旧式印刷機はギルドも処分に困っていたから値段がタダ同然なのが大きかった。一から集め直すより遙かに安上がりで済むし、広いスペースを利用すれば倉庫や宿舎の役割も賄える」
「やけに詳しいんスね?メンバーカードとか持ってたし、もしかしてブラスさんも『新聞連合』なんッスか?」
「いや………」
一瞬何かを言い淀んだブラスだったが、考えを纏めたかのように言葉を続ける。
「この建物を『新聞連合』に教え、買い取りの段取りを整えたのがオーネスト・ライアーだったんだ。買い取り資金も一部をオーネストから借りたらしい。だからここの連中は恩義を感じてオーネストを名誉会員のように扱っている。そんなオーネストが俺に身分証を貸したのなら、俺はオーネストが認めたゲスト……俺が連れてきた得体の知れない二人も連中にとってはまたゲストという訳だ」
「………『ゴースト・ファミリア』。アンタもそうなんッスね」
「まぁ、な」
何を隠そう俺がオーネストだから、などとは言い出せないので言葉を濁すブラス。やがて三人は第三会議室に辿り着き、そこに入る。テーブルの周囲に設置された椅子を無造作に引き出してブラスが座ったため、残りの二人も座る。
「あの……ブラスさん。そろそろ私達をここに連れこんだ理由を教えてもらえますか?最初、私達は被害者を襲った『方法』を探るって話でしたけど、何でそれが『新聞連合』に繋がるんですか?」
いい加減に、レフィーヤは多くを語
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