機動戦艦ナデシコ
1261話
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ナは20代。年齢差は数歳程度なんだし、十分にヒロインの資格はあると思うんだが。
そのエリナは、俺から向けられている視線に気が付いたのだろう。訝しげに俺の方を見てくる。
「何よ?」
「いや、何でもない。ともあれ、何をするにしても一旦部屋に戻った方がいいな」
「何でよ?」
「俺の部屋にハルカを置いてきたからな。連れ去られた状態のままだと、いらない心配をさせてしまいそうだ」
「馬鹿ね、そういう時こそコミュニケを使えばいいじゃない。わざわざそっちに行ってたら時間の無駄でしょ」
「……おお」
そう言われれば、確かにちょっと話をするくらいならコミュニケを使えば全く問題はないのか。
エリナの言葉に頷き、早速コミュニケを起動させようとしたところで……
「あれ?」
ふと、そんな声が聞こえてくる。
それも、聞き覚えのある声で……って、さっき同じような事を考えたんだが。
ともあれ、その声のした方へと視線を向けると、そこにいたのはハルカ。
しかも、手には消火器を持っている。
……ナデシコに消火器ってあったのか?
いや、寧ろ戦艦だからこそいざという時の為に消化器が用意されていてもおかしくはない。
もっとも、さすがに家で使うような消化器ではないだろうが。
どこぞの国ではF1レースでF1マシンが燃えた時に家庭用の消化器を使ったという逸話が残っているが、まさかナデシコでそんな真似はしないだろう。
仮にも世界的な大企業なんだし。
「うーん……余計なお世話だった?」
手に持った消火器を降ろしながら告げるハルカに、小さく肩を竦める。
「余計なお世話って訳じゃないけど、出来れば危ない真似はしないで欲しかったな」
「む。ちょっと、何よその言い方。折角助けに来てあげたのに、そういう風に言う訳?」
「いや、助けに来てくれたのはありがたいが、お前は身体を鍛えたりはしてないんだろ? こいつらは仮にも軍人だぞ? さすがに女の細腕でどうにか出来る相手じゃない」
「ふーん。……ま、それは事実だけどね。でも、少しくらい感謝してもいいんじゃないの?」
俺の言葉が不満だったのか、ハルカの視線がジト目となる。
それに対し、俺が何かを言い掛けようとしたところで……
「はいはい、その辺にしてちょうだい。とにかく今は、この状況を何とかする必要があるでしょ」
エリナが手を叩きながらそう告げる。
どう見ても、委員長体質だよな。
いや、こういう時は助かったって言うのかもしれないけど。
現状、連合軍の兵士が艦内にいる状況で言い争っていても、向こうにとって有利な事でしかないし。
もっとも……
「本命の俺を捕らえに来たムネタケはこの有様だし、ブリッジの方ももう鎮圧したんだろ? なら、そこま
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