31.心の温度差
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がいるのによそのファミリアで剣を買うなんて考えられないッスね。ンなことがバレたら店同士で情報が行き交って、即バレの上で契約打ち切り!それに、俺も『剣姫』がこんな男勝りな喋り方をするたァ聞いたことないッス」
「つまり、本当に他人の空似か………紛らわしい」
新人二人の指摘に自分の予想が間違っていたことを確信したヨハンは、心底面倒そうにぼそっと呟く。が、勘違いしたのはヨハン側だというのにこの態度なために周囲から冷めた視線が注がれる。迂闊な言葉で株を落としたヨハンは後ろ頭をぼりぼり掻いた。
「えー………こっちの不手際で申し訳ない。お詫びに何か奢るよ、お嬢さん」
「この店で一番高いクイーンベリーパフェの特盛とセイロンティー一品ずつ、ついでにお持ち帰りのジャムセットの一番高い奴」
「予想以上にガッツリ頼んできた!!」
「態々『一番高い』ことを強調する辺り、ご機嫌斜めッスね。まーこれは先輩が悪いッスから必要経費ッスね」
山盛りのパフェをもくもくと、しかし異様なまでに洗練された手つきで頬張るブラスは一旦さて置いて、質問は次へ移った。
「で、次ですが………ガネーシャ・ファミリアの人ですね?」
「違うよ!俺のどこがガネーシャ・ファミリアだって言うんだ!」
「どっからどう見てもガネーシャ・ファミリアだろーが!!これ見よがしに黄金の仮面なんか付けやがって!!鏡見てから言えよ!!」
「酷い!身体はガネーシャでも心は天使だよ!」
「ブラスさん、あれ……」
「確信犯だ、言うまでもなくな」
レフィーヤは頭を抱えたくなった。あの仮面でガネーシャ・ファミリアに間違えられない訳がないと完全に理解した上でのあの発言。この男、間違えられるのを分かっていてボケに入りやがった。パフェを未だにもくもくと食べていたブラスがふんっ、と鼻を鳴らしてジロリとアズを見やる。
「おいアズ。そのコントは読めてたからとっとと説明しろ。時間の無駄だ」
「ええっ、もうちょっと遊びたい……」
「え?いまスプーンで目ん玉くり抜いて欲しいって言ったか?」
「言ってないよ!お前のヤクザ並みの暴力発想が怖いわ!」
「あの、話が進まないんですが〜………ねぇ聞いてます!?」
この不毛な茶番が終了するまでに数分かかったことは言うまでもないだろう。
一通り茶番を終えた6人はやっと本題に入っていた。
「つまり、3人は突然の閃光と共に被害者が崩れ落ちたのを確認。アズライール氏とブラス氏の私見では周囲に怪しい気配や魔法の発動は感知出来なかった……と」
「俺はともかくとしてブラスの気配察知能力は確かだぜ。まぁ、半径300M以内に不審者がいたら一発で気付くレベルだかんな」
「うわぁ、鷹の眼かよ………」
「流石は冒険者、化物染みた能力だ」
ドン
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